院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2015.07.07
ホクロを取りたいと思う方はとても多く、当院でも日常的な施術となっております。しかし、いくつか問題点もあり、その一つが再発です。
ホクロの細胞はタイプにもよりますが、比較的皮膚の深いところまで存在します。レーザーなどで焼灼して蒸散させる方法がメジャーですが、この場合、皮膚の少し深くまで焼くので、術前と同じ皮膚は再生せず、傷痕として残ります。切り取る処置をしても痕が残ります。
焼くにしろ切るにしろ、良性のホクロを余裕をもって広く取るわけにはいきません。つまりなるべくぎりぎりの幅で、そしてぎりぎりの深さで取り、欠損を最小限に使用とします。しかし、ホクロ細胞はミクロのレベルで周囲に残存してしまう可能性があります。すると、約1~2か月後に再発するというわけです。
再発と言っても、元の大きさや盛り上がりがそのまま復活するわけではありません。概ね消えたのだが、縁っこに少し黒い点が出てきた・・・とか、黒くはなくなったが、うっすら全体に灰色っぽくなったとかあり得ます。これは切り取っても焼いても起こり得ます。焼灼で起こりやすいですが、切り取りでもぎりぎりだとあり得ます。
ダーモスコープで病変を10倍に拡大して、色素の取り残しを確認しながら行っています。最初は3.5倍拡大の手術用ルーペで取り残しを確認したり、切除範囲をマーキングしたりしていました。しかし10倍だと本当によくわかります。ほくろ切除範囲を見る
切除したにもかかわらず、辺縁や下床から再発した症例です。
切除瘢痕組織の内部に色素斑が散在して再発しました。これをダーマスコープで確認すると、
細かく色のあるところとないところ、瘢痕のわずかな盛り上がりやその縁に沿って再発していたり、状況がよくわかります。ダーモスコープを当てながら処置は出来ませんが、手術用ルーペを使用して、炭酸ガスレーザーで焼灼しました。
ダーモスコープで取り残しなく焼灼できているのが確認できます。
拡大して見て治療すると、肉眼で見えてなかった部分が見えるわけですからより丁寧に無駄なく治療ができます。治療のクオリティは上がると考えられます。
カテゴリ:母斑(あざ・ほくろ) 院長ブログ