院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2025.11.06
まずはじめに、当院は日本医学脱毛学会の会員であり、日々研鑽を積み、知識や技術の一定基準を満たした日本医学脱毛学会認定レーザー脱毛士が2名在籍しています。安全で効果的で正確なレーザー脱毛の実施を常に心がけております。
医療レーザー脱毛は、世の中に広く普及しています。脱毛することで人によってはQOLの向上を実感され、大変喜ばれる施術である一方、合併症などによるトラブルも散見されます。今回は、医療脱毛のトラブルやリスクについて、解説してみようと思います。
この内容は、当院も会員である日本美容医療リスクマネージメント協会主催のセミナーを参考にして、私の私見を述べています。また、医療従事者向けの警鐘を込めた言い回しになっています。
正しい知識と技術で、丁寧に施術すること、予防できうる合併症です。
使用するレーザーは、アレキサンドライト、ダイオード、Nd:YAGですが、色調が濃い場合はよりメラニンに吸収されにくいNd:YAGを選択します。比較的痛みが強いのがデメリットです。日焼けした肌にはアレキサンドライトでは、熱傷の不安が残ります。日焼けして熱傷起こしやすい部位は膝下(下腿)です。また、もともと色素沈着しているのは鼠径部や外陰部です。
私がこれまで他院も含めて対応した熱傷は、外陰部が多いと思います。特にVゾーンは熱傷後色素沈着が残存して長期にわたって患者さんが困ります。教科書的には下腿が多いです。特に下腿は熱傷後色素沈着が1~2年続く可能性もありますし、学術を勉強していると、広範囲に及ぶ写真をよく見かけます。
上記で述べた熱傷後に生じる、遷延する色素の増強です。顔面は数か月程度で改善するのですが、四肢体幹は長期に及びます。原則、自然治癒しますが、UVケアが不十分であったり、触ったり掻いたり擦れたり、物理的刺激で不可逆的になってしまう可能性があります。
早期の改善のために、トラネキサム酸の内服外用、ビタミンCの内服外用、ハイドロキノン外用も治療手段となります。
上記で述べた熱傷後に生じます。熱傷部位が正常皮膚の色より白く抜けます。本来活動していなければならないメラノサイト(メラニン色素を作る皮膚の細胞)が破壊されることにより起こります。治らないかもしれませんし、治療方法もありません。治るにしてもかなりの時間を要します。私は、レーザー脱毛の熱傷ではほぼ見たことがないと思います。しかし、日常診療の一般的な熱傷ではよくある熱傷後の合併症です。小児に多い印象があります。
効果が不十分なこともありますが、十分な効果があっても患者さん側の医療脱毛に対する理解が不十分ですと、不満足を訴えられるでしょう。
ここで、永久脱毛の医学的定義について、解説しておきます。
まず、巷では医療永久脱毛なるイメージで呼ばれているものですが、定義の中にあるように、「減毛」であって、完全にその毛がなくなるという意味はありません。つまり、毛が著明に減少している状態であり、無くなっているとは限らないのです。そして、その状態は永久なのかと思いきや、「長期間」と定義されており、徐々に毛が太くなっていくなどの可能性は残っているということです。
分かりやすく表現すると、永久脱毛できる場合もあれば一時的な脱毛しかできない場合もあるということです。これは部位によって違います。
反応が良い部位(黒い・太い)・・・腋窩・下腿・Vライン・男性のひげ
反応が悪い部位(薄い・細い)・・・上腕・背部・肩・前腕・うなじ・フェイスライン・大腿
つまり、細い毛や産毛は効果出にくいです。短期間の一時的脱毛効果のことも多いです。原理的に、困難ですので、代替手段である針脱毛を検討することになるのですが、広範囲になると現実的ではないですね。そしてさらにこのことは次に述べる硬毛化と関連して、問題となります。
レーザー脱毛部位のvellus hair(産毛)が、terminal hair(硬毛)に誘導される現象です。私たちの経験的にですが、若くて色白の女性に多い印象で、治療開始後3~5回目程度で顕在化してくることが多くみられます。発症率10%程度の印象です。
e,fに関してはエステサロンの施術でも生じます。また、クリニックによっては、出力設定を弱めにマニュアル化して肌状態よりもマニュアル優先で照射する場合が考えられます。
硬毛化のメカニズムはよくわかっていないですが、十分な熱が与えられずに熱破壊が無しえないが、一定の炎症反応は起こるため、血流が促進、何らかのサイトカインの影響を受けるためと推定されています。したがって、レーザー光治療器による差異は認められません。
軟毛部位の脱毛効果は弱く一時的なこともある、あとから永久ではないと感じる人も多いということを前提として、さらに硬毛化するリスクを説明し、納得の上施術します。ここまで話すと、やめとけ感が強くて、患者さん嫌がるのですが、副作用と効果の見込の観点から医学上必要な内容ですから、的確に説明させていただくことにしています。説明しない病院は多いのです。
希望しない部位への誤照射は、起こり得ます。
これはマーキングやテーピング保護で対応していますが、レーザー中は患部を見ることができないので、心配になる患者さんも散見されます。どんな治療もそうですが、施術者を信じるしかないです。