院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2016.10.10
全切開式重瞼術や眼瞼下垂手術では、予定した高さに二重まぶたの折れ込みを作りこんで傷を閉じます。(重瞼線の作成)この予定した高さというのは縫い合わせた傷自体の高さです。この高さより上に折れ込みが入ってしまうのを予定外重瞼線といい、予定した線でしっかりと二重の折れ込みがはいらなくなってしまいます。
予定外重瞼線は手術直後から一週間目までに気づきます。自然に改善することもあるのですが、改善しないと再手術を要しますので、怪しい患者さんにはその時点で袋とじと呼ばれる方法、もしくはつり上げを行って予防します。
袋とじは簡便で効果的なので、よく行われる手法です。
ヴェリテクリニックの室先生のブログにわかりやすいシェーマが載っておりました。この記事を見た直後に当院でも眼瞼下垂手術をしたので、紹介しました。
袋とじのデザインです。紫ラインの3か所に睫毛側と眉毛側の皮膚どうしを縫合して、傷を塞ぐ形にします。
このケースでは予定外重瞼線ができそうな中央部から内側にかけてのみ袋とじしましたが、全体に掛けておくことが多いです。少し目が閉じにくくなります。
カテゴリ:眼瞼下垂 重瞼術(二重まぶた)
2016.05.18
埋没法に関して。挙筋法といって、埋没糸を挙筋やミューラーにかかるようにしている先生が多そうな感じでした。眼瞼下垂をきたすこともあるので注意が注意が必要ですが、うまく工夫すると開瞼が軽度改善する症例もあるようです。糸のかけ方に、front tarsus techniqueとmasucle tarsus techniqueがあるのですが、FT法は自分自身経験が無いので、表から瞼板にうまく掛けるのにコツが要りそうな印象です。
埋没と切開の利点がまとめられていました。埋没は、傷にならない、取り返しがついて、変更もできる、ダウンタイムが無い、うまくかけると下垂の修正もできるとのことで、切開法はたるみの除去ができる、脂肪の除去ができる、下垂の矯正ができる、消失が少ないということです。
座長の先生が埋没を大変上手くこなしている写真がありましたが、現代ニーズには最もあっていると思っています。
高濃度ビタミンCは民間療法ではなくEBMに基づいているもの。やはり、最近は美容目的で12.5∼25g、がん治療で50gが主流のようです。私もがん患者さんに投与して思うことは、疲労感の改善効果、夜間頻尿の減少、うつ状態や意欲低下の改善など、実感があります。投与に関しては硫酸マグネシウムの混注がポイントで血管痛を顕著に改善可能。ビタミンCがすぐにwash outされることに関しては、IVCの場合は細胞内にcharegeされ、1週間程度効果の持続を望めるとのことでした。
ホルモン補充療法は日本での普及が他の先進国に比較して極端に遅れているようです。LOH症候群late onset hypogonadism加齢性男性性腺機能低下症候群いわゆる男性更年期に的を絞って解説、症状は認知力や感情の低下、メタボリックとなり、心血管イベントの増加、筋骨の機能低下、性機能の低下、肌のエイジング減少などなど。AMSスコアを見ると、意外に自分にも当てはまっている・・・。テストステロンやDHEAの補充療法を行います。テストステロンはグローミンクリームによる外用が安全で、内服やペレット(数か月ごとに皮下投与)は輸入です。前立腺がんのリスクAGAのリスクははっきりとは無いとのことでした。
その他、EDに関しては、40代以上の6割も罹患率あるようで・・・。陰茎海綿体の血管機能低下や動脈硬化と言われています。中折れが初発症状で多いのも、泌尿器科医で無い私には初耳でした。最近の性感染症は梅毒が数年で10倍に増加、バラ疹を全身の他に、手掌足底にはっきり出ているのが特徴。
海外でも上記のようなmen’s health外来が増加しているようです。
動脈塞栓は即時に起こるトラブルで、術者がパニックにならないように対処します。皮膚に関しては環流域のまだらな皮膚障害と強い疼痛(急に叫ぶぐらい)その後の微小な皮膚膿胞形成です。ヘルペスやアレルギーと鑑別すべき。また網膜動脈塞栓では突然のブラインドです。注入部とその周辺に生食で溶いたヒアルロニダーゼを30単位/1pointぐらいずつ、大量に(1000単位でも)に注入、ブラインドの場合は一時間以内に球後針で注入するぐらいでないといけない。ヒアルロン酸を詰めた動脈をヒアルロニダーゼの溶液に浸し、その後動脈を開けてみるとちゃんと溶解していたという実験で、やはりダーゼを血管内に注入しようとせずとも、吸収されるため有効であろうということです。クリニックにあるダーゼをすべて使うつもりでということを何度も強調されていました。しかしもし可能ならば、眼窩上動脈などを露出させ直接注入するのが良いのでしょう。
遅発性のトラブルでは、炎症性の結節か腫脹が挙げられます。膿瘍であればドレナージと抗生剤、肉芽腫であればヒアルロニダーゼ、biofilmが考えられるのであれば抗生剤、ステロイドが順に適応となります。過去に同部に他の注入剤、例えばダーマライブ、ポリアクリルアミド、ポリL乳酸、シリコンオイル、ハイドロキシアパタイトなどがすでに注入されている場合は、組織学的検討で自分の注入したヒアルロン酸が原因なのか、同定できるということです。
MEDJETという針無しで、皮内注射ができる機器を試させていただきました。炭酸ガスの圧で、0.03㎜径の皮内注入が可能です。蚊の針が0.06㎜でそれより細いです。ほぼ痛みが無いです。半日ぐらいは赤味がありますが、何といっても注入が正確、痛みがほぼ無し、早い。毛髪再生療法HARGなど、ハンドで注入が難しい時に威力を発揮します。メソや多汗症ボトックスに応用できそうです。
自分でやってみました。
是非導入したい機器です。
当院では多汗症はボトックスによる治療が主ですが、viewHOTというフラクショナルニードルRFによる治療器を見せていただきました。
カテゴリ:アンチエイジング ヒアルロン酸-しわ 多汗症 重瞼術(二重まぶた) 院長ブログ
2015.05.17
プチ整形の代表格で、糸で止める二重まぶた形成手術です。この埋没法には2点留や4点留など、皮膚を何か所切るかによって、名前がついています。1点留や3点留、5点留などを行うというクリニックもございますが、当院では特別希望がなければ2点か4点です。カウンセリングによって、どちらが適応か、しっかりとカウンセリング致します。
今回は2点留の手術の実際を見てみます。
赤い点は糸を埋没させる予定の部分です。ここに30ゲージという大変細い注射針を使用して、局所麻酔を行います。当院では一か所0.02㏄程度を皮内に打ち込みます。大変少ない麻酔量ですからほとんど腫れません。また、針が細いのでわずかで済みます。針が細いことは、注射による内出血のリスクを減らしますから、腫れる可能性を下げることができます。
先の尖がったメスを当てて、わずかに皮膚を切って糸を埋没させるスペースを作っていきます。これ以降、眼の中に何やら金属の板(角膜保護盤)を入れておりますが、点眼麻酔をしてありますから痛くありません。この板を入れて操作することで、誤って黒目に傷をつけてしまうことを防ぎます。またまな板のように使用するので、最初の切開がしやすくなります。クリニックによってはこの板を入れずに手術するクリニックがあります。この板を入れることで患者さんが苦痛だからとの理由だそうですが、黒目に傷がついたら大変なことです。安全第一です。
細い鋏の先を差し込み、傷の中にわずかにスペースを作ります。糸の結び目をこのスペースに埋め込んでおくためです。このスペースが不十分ですと、結び目が露出しやすかったり、透けて見えたりしやすくなる可能性があります。
上瞼板動脈を損傷しないように必要最低限の麻酔量で結膜下、瞼板内に注射します。 ここで稀に結膜下に内出血を起こしてしまうとみるみる腫れてきます。もしそうなった時には瞬時に圧迫止血をし、一時手術を中断してでも、止血を優先したほうが腫れません。
写真は結膜に刺す時と、皮膚から出す時の瞬間です。皮膚側に出す時に切り口の真皮にひっかけてしまうと、結び目がうまく埋入しにくくなるので、慎重に行っています。
写真はすぐほどけるように仮結びをしています。当院では仮結びをした状態で一度座っていただき、できた二重のラインを鏡で確認していただきます。この時点ですでに少しは腫れ始めていますので、希望のラインより少し広く感じる方がほとんどです。左右差が強すぎたり、まぶたの開け具合そのものが弱くなっていたりするケースもあります。そういった場合はこの確認作業の後、適切な修正を行うことも稀ですがあります。
埋没法に関しては「腫れますか?」と「痛いですか?」という質問がとても多いですが、思い切って受けられますと、こんなもんかで終わることが多いです。しかし、患者さんごとに経過の個人差がありますし、医療行為ですので、完璧に安全ということは言いきれません。
カテゴリ:重瞼術(二重まぶた) 院長ブログ
2015.03.31
A 手術後はよく冷やしてお帰りいただきますので直後の腫れはごく軽度です。個人差はありますが、翌朝から泣き腫らしたような軽いむくみが2点留は2~3日、4点留は1週間程度です。
A 内出血を起こすことはありますが、1~2週間で徐々に消失します。二重のラインの中に隠れることが多いです。
A デザインによっては十分可能なことがございます。丁寧にカウンセリングしますのでご来院ください。
A 麻酔の注射をする際にチクッと痛みはあります手術中の痛みはありません。
A 個人差が大きいです。数か月で浅くなってくることもありますし、10年保っているという人もいます。二重が取れやすいまぶたというのはある程度わかりますので、カウンセリングご説明いたします。
A 腫れで運転できなくなることはまずありませんが、ご心配でしたら付き添いの方とご来院ください。
A アイメイク以外は手術後から、アイメイク・コンタクトレンズは3日目より可能です。目に違和感があるときは延期してください。
A 可能です。改めてその方にあった埋没法をご提案いたします。
A 何度でもできます。が、基本的に溶けない糸を埋没します。つまり、異物をまぶたの中に残すことになります。異物を無駄に体内に残すことは推奨しませんので、複数回以降を考えている方は手術適応の見直しが必要なことがございます。
カテゴリ:Q&A 重瞼術(二重まぶた)
2014.08.22
人気の埋没法。
毎朝アイプチするようになってもう10年なんて方や、アイプチは一度すると、絶対やめられない!っていう若い女子は多いと思います。思い切って埋没法をやりたいとご相談に来られる理由になっています。
しかし、アイプチやアイテープでかぶれたり、皮膚炎で真っ赤なんてことありませんか。
接触性皮膚炎ですから、大丈夫な人は大丈夫だし、ダメな人はいつもダメなんだろうと思いますが、かぶれても我慢してアイプチするなんて、絶対やめてほしいです。
そして、かぶれた状態で埋没法を受けたいと来られることもよくあります。できますか?
答えは、お勧めはしません。以下のいくつかのリスクが挙げられると思います。
かぶれて皮膚炎を繰り返している状態ですと、まぶた自体、割とむくんでしまっていることが多いです。むくんだ状態で希望の二重をシュミレーションして手術したとしても、むくみが引くとラインが狭く感じることになってしまいます。
むくんだ状態でのデザインは正確性に欠けるということです。
炎症が起こっていると、その部位の血流が多くなっています。メスを入れたり、針を刺すと、勢いよく血が出ることもあります。内出血のリスクは高くなります。
炎症が起こっていると、正常な状態より傷の治癒が遅れることがあります。また、その部の免疫機能が悪く、埋没した糸にばい菌が感染してしまう可能性出てきます。一度糸が感染すると、手術のやり直しということも、よくあることです。
私たちはやはりかぶれている状況では1週間前後待って、治ってから手術が良いと勧めます。
しかし、長年、皮膚炎が続いた皮膚のむくみの引きは悪いことが多く、できるだけ長く待ってからが良い時もあります。しかし、あまり長く待ってもらうと、そのうち今日はどうしてもアイプチしなきゃいけないようなイベントに遭遇し、そこでまた皮膚炎を再開させてしまい、もうどうしょうもない状況になりますね。これ、ほんとよくあります。
つらいでしょうが、埋没さえしてしまえば、毎朝のアイプチと皮膚炎から解放されるのですから、ちょっと我慢をお願いいたします。
カテゴリ:重瞼術(二重まぶた)
2014.08.19
埋没法という、切らない二重まぶたの手術があります。しかし、この方法の最大の欠点は、作成した二重のラインはいつかは消失、もしくは浅溝化といって浅くなっていってしまします。
そこで、切開法といって、切る二重手術を選択される方も多くおられます。全切開法は二重の幅も自由度が高く、ほとんど消失はありません。(しかし、じょうきょうによっては浅くなっていく方もみえるようです)逆に言うと、修正も困難になりますから、初回手術で良い結果を出すよう、慎重に行うべき手術とも思っています。
切る、というからにはどんな感じできずあとが残るか、ご質問されることがあります。
そもそも手術できずあとが残らない方法など、ありません。いかに目立ちにくくするかが、形成外科医、美容外科医の得意とするところです。
切開法のきずあとは二重の折り込まれるラインになりますので、眼を開けているときは全くわかりません。しかし、伏目や眼を閉じた時はきずの部分が見えるようになります。
まぶたはその部位の特性上、きずあとはかなりきれいに治り、目立ちにくいといえます。しかし、術後数か月は赤味が残っていて、わかりやすい状態です。半年以上たつと、うっすらと線上の跡がなんとなくわかる程度です。
問題になるのは、眼を閉じた時に、きずあとのラインが窪んだラインになっている時です。これもある程度仕方がないこともございます。普通、二重の人は目を閉じた時、まぶたは全体にフラットですが、眼を開けた時だけ二重のくびれが折り込まれるようになっています。しかし、切開法の術後に、目を閉じても二重になっているような凹みがあると、不自然な印象、手術で作った印象になりかねません。
また、二重のラインよりもまつ毛よりの皮膚が、薄く、固く、しなやかな皮膚の印象がなくなってしまうことがあります。これも、手術でいじったという印象を与えかねません。
きずあと自体は消すことはできませんが、眼を閉じた時には窪んでいないようにする、そしてまつ毛寄りの皮膚の印象を柔らかいままにするには・・・
手術で糸をひっかける組織を工夫します。
教科書的には二重のラインを癖付ける(癒着させて固定する)のに、瞼板というまぶたの形を支える固い線維性組織に縫いつけることになっています。この方法は、深く、しっかりした、二重のラインが作られます。しかし、瞼板はまぶたの奥の方の組織で、そこに固定すると、やはり窪みが目立ち、まつ毛寄りの皮膚もぴったりと癒着する印象が強いです。
そこで、瞼板に固定するのではなく、眼を開ける筋肉(挙筋)からつながる腱膜に縫い付ける方法があります。この方法だと、眼を閉じた時はきずあとが窪むことはありませんし、まつ毛寄りの皮膚も自然な印象を保ちます。瞼板に固定するよりは少し食い込みは遊びがあり弱いかもしれません。
術者により、どちらの方法が良いか、考え方はいまだ議論されていることですが、こういった専門的で細かいことでも必要ならインフォームドコンセントの項目の一つに入れています。
カテゴリ:重瞼術(二重まぶた)
2014.08.16
二重まぶたで人気の施術、埋没法。
もともと一重まぶたの方は、アイプチ、メザイク、アイテープ、つけまつ毛とアイメークで大きく見せようと工夫されているようです。まつ毛エクステも例外ではありません。
埋没法を行う日に、まつ毛エクステがなされたまま来られる方もお見えです。
「まつエクしていても大丈夫ですか。」
答えは「手術は可能ですが、まつエクは少なからず取れるかもしれません。まつ毛を多少引っ張る操作があるからです。」
埋没法ではまぶたを翻転(裏返し)して針と糸を通します。この、翻転するときに、まつ毛を軽くつまんで持ち上げてひっくりかえします。(よく眼科の診察でも裏向きにされます)
まつ毛をつまむときに、どうしてもエクステを引っ張ってしまいますので、何週間かしているものはボロボロと取れ落ちます。
なるべく取れないように、まつ毛を持ち上げずに、まぶたの縁で持ち上げるように努力しています。しかし、人によってはまぶたの縁にコシがなくて、どうしてもまつ毛で持ち上げざるを得ない場合があり、エクステは取れがちです。
また、もともと短いまつ毛の方がエクステされて、さらにコシの弱いまぶただと、エクステを引っ張るようなことになりかねません。すると、エクステもろとも元のまつ毛も抜けてしまうこともあります。もともとまつ毛が短くて細い方は弱く抜けやすい印象です。
これはエクステの技術もあるのかもしれませんが、太くて長いまつ毛にしっかりエクステがついていると全然取れずに手術可能な時もあります。こういった太くて長いまつ毛の方はまぶたのコシがしっかりしていて、まつ毛に力をかけず、まぶたの縁をつかみやすいこともあります。
なるべく、エクステは残してください、とおっしゃるのでしたら、エクステは埋没法が終わってから行ってほしいと思います。
しかし、どうしてもでしたら、まぶたを翻転するときに、アドラー攝子などのピンセットを使えば、まつ毛に負担をかけることはありません。しかし、愛護的にでも、まぶたをピンセットでつまむことは、麻酔なしでやられたら痛いです。やはり、用手的(道具を使わず)に翻転したほうが、より愛護的なのです。術後の腫れ具合や、眼の異物感の原因になりかねません。
カテゴリ:重瞼術(二重まぶた)
2014.08.03
二重まぶたを作る埋没法。毎日のアイプチが面倒、友達はみんな広い二重を作っている、まぶたがかぶさって目が小さい、アイメイクが映えるようにしたい、たるみを少しでもなんとかならないか、などなど、動機は様々ですが、皆さん、埋没法って腫れますか?と決まって聞かれます。
その日も、次の日も、ご予定がある、友達には内緒など、社会生活上、あまり眼が腫れていては人から突っ込まれます・・・。
この質問の答えはとしては、「腫れずにはできません。多少なりとも腫れます、極々稀ですが、かなり腫れてしまうこともあります。内出血は少なからず伴うことが多いです。内出血がひどいと、腫れもひどくなります。」
この答えの続きですが、「腫れはや内出血は仕方がないことです。」
そのとおりです。ただ、「腫れや内出血が最小限になるよう努力して行います」と付け加えることにして、有言実行です。
私なりに気を付けていることですが、特殊な方法はしていません。
患者さんは何をされるかわからないと、ちょっと触るだけで、目をぎゅっとしてしまい、力が入ります。そして息をこらえてしまいます。これらの反応は、頭部の血液の還流を妨げますので、内出血がしやすい環境になりますし、むくみも起こしやすいです。リラックスするよう、声をかけています。
Dr.によって、考え方がいろいろあると思いますが、私は片目の麻酔量を計0.1ccで済ませるように意識しています。これで腫れた感じはほとんど出ません。麻酔を効かせたい層に効率よく注入すれば十分足ります。術中の痛みはありません。
まぶたの皮膚の表面にある細血管を刺してしまうと内出血を起こします。麻酔注射時に針を横から刺すよりも、意識して頭側から縦方向に刺した方が、血管の走行とクロスしにくく、損傷しにくいと思います。
このことは多くの教科書に書かれておりますが、まぶたは薄い皮膚の下に眼輪筋という筋肉があります。ここは血流が豊富ですので、この筋肉に麻酔せず、なるべく皮膚の中のみに注入すると内出血が少ないです。
これもDr.によってまちまちですが、私は1mmぐらいは傷をつけ、操作しやすくしています。これ以上大きく切っても腫れてしまいますし、小さすぎて操作しずらいと、また腫れてしまう原因になると思います。しかし、いずれにしそのDr.が慣れた方法で良いのだろうと思います。
出血しているにもかかわらず手術を続けると、気付くと結構真っ青で腫れていたりしますので、すぐに圧迫して少し待ちます。
瞼の裏側にある、結膜と瞼板という組織に糸を通しますが、このときに上瞼板動脈という太い血管とその分枝を損傷してしまわないよう走行を意識して針を運ぶようにしています。
カテゴリ:重瞼術(二重まぶた)
2014.08.01
カテゴリ:重瞼術(二重まぶた)
2014.07.20
切開式重瞼術という手術があります。埋没式重瞼術が切らない二重手術であるのと対照的に、上まぶたの全幅、もしくは一部分を切開、皮膚切除をおこない、二重になるように癒着させようと、縫合閉鎖する手術です。
さて、この縫合閉鎖。通常、縫い糸(縫合糸)の太さは6-0もしくは7-0と表記される糸(直径約0.06mm前後)を使用します。色は黒か青といったところです。素材はナイロンです。抜糸は1週間後に行うのですが、それまで、上まぶたには糸が付いていることになります。ただでさえ、1週間は腫れます!おまけに糸がついてたら、メガネかけてカムフラージュしようにもバレバレです。
当院では患者さんのご希望により、7-0白(透明)ナイロンで、目立たないように縫合します。
しかし!その場合、縫合時間は1.5倍、抜糸時間も1.5倍は余分にかかります。それは0.06mmの透明ナイロン糸って、裸眼ではかなり見えづらい!裸眼だと、縫合時は糸が見えにくいのでつかみにくく、瞬時に動作できません。抜糸時もまず糸のつかむ部分を探すので、とてもやりづらいです。
私は3倍の拡大鏡(老眼鏡じゃなく、手術用のルーペです)を使用して縫合、抜糸します。その方が丁寧に思えます。
基本的には黒ナイロンで縫合させてください・・・。目を開けているときは縫合糸は二重のラインに隠れて見えないのです。
カテゴリ:重瞼術(二重まぶた)