院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2020.10.10
久しぶりに健康スポーツ医学講習に参加しました。私の日本医師会認定健康スポーツ医の資格を維持するためにお勉強しなくてはなりません。今回は愛知県主催の講習です。テーマはラジオ体操のについてです。その動きには意味がある、というテーマで学びました。教わったことを備忘録的にまとめてみたいと思います。講師はNPO法人全国ラジオ体操連盟名誉会長青山先生。ありがとうございました。
いつでもどこでも誰でも手軽にできる体操として、日本で広く普及しているのはご承知の通り。健康増進を目的として、近年もシニア世代では特に関心が高いものです。では具体的にどのように健康増進にかかわっているのかを、今まで気にもしませんでしたが教わりました。かつてのデンマーク、スウェーデン、ドイツでは骨に関する疾病が国民病で、体操が大変盛んになったそうです。日本もその流れと同じように昭和26年にラジオ体操第1が制定されました。以来、国民の保健体操として普及していきました。ちなみに昭和27年にできた第2体操は第1体操より運動強度が強いという特徴があります。
体操や運動というと、一般的なストレッチなどを思い浮かべる人も多いと思います。ラジオ体操よりもしっかり筋を進展させるイメージがあり、その意味でいうと、ラジオ体操はストレッチではないので役に立たないものかと思っていました。しかし、ラジオ体操は、リズミカルに筋を伸縮させ、常に動いて、これは動的ストレッチの役割もあります。一般的なストレッチとは違いますが、どちらのストレッチも大切で有効なものです。
日常生活では可動させない筋はたくさんあり、そのために前傾姿勢の猫背となり、固まっていきます。代謝や柔軟性、血液循環、バランス感覚の低下を招きます。この固まった悪い癖を徐々に矯正していくことができます。
第1体操4番目では、腕を広げながら使いながら肩甲骨を引き寄せます。これにより胸郭を強く広げることができます。
第1体操5番目では、横方向に体を曲げるため、肋間を広げ脊柱を左右に動かすことができ、左右方向の固まり解除します。
第1体操6番目では、脊柱を前後に曲げ伸ばし、前後方向の固まりを解除します。
第1体操7番目では、さらに脊柱にねじれを加えること固まりを防ぎます。
このように4~7番目の動きは背骨の悪い癖や固まりを解除し、肩こりや腰痛の軽減につなげる目的があるのです。
ラジオ体操は有酸素運動ではありますが、これ自体は30kcal程度です。しかし、毎日行うことで、基礎代謝があります。基礎体温も上がっていくといいます。腕をよく使っているように思えますが、すべての動きで意外にも下肢の筋も踏ん張りながらしっかり使っているようです。いわゆるパワートレーニングではありませんが、ほぼすべての骨格筋を使うため、普段使わない筋を刺激し、筋量を維持から増加させることができるというのです。習慣にすると10%の基礎代謝アップが望めます。
講習では参加者全員でラジオ体操をやってみましたが、やはり一番効率の良い正しい動きや意識の仕方をもう少し学べると、上記のような本来のラジオ体操の効力をさらに発揮できるのだろうと感じています。思い出すと学校教育でも体育の先生が教えてくれたような記憶はあるんですが、、、。