院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2015.09.29
AGA(男性型脱毛症)に関して、皮膚科学会のガイドラインでも認められている第一選択薬フィナステリドですが、高い有効性と低い副作用発現率で大変優秀な薬であると考えられております。
したがってこれまでの経験上、フィナステリドを内服して、症状が悪化する(禿が進行する)ということは一度も経験がありません。では、内服を開始して症状が悪化することがあるのでしょうか?理論上とても考えにく事象と思います。しかし、最近当院でも悪化と思われる患者様に遭遇しました。症状の悪化には2つの考え方があります。
①一つは薬剤の副作用もしくは有害事象です。5αリダクターゼ阻害以外に何らかの作用が及び、他の機序でAGAの進行を認めるという、大変特異な事例と思います。あくまで私の私見であって根拠のある話ではございません。
②もう一つは薬剤が無効ということです。AGAの進行は人にもよりますが、周期的に段階的に急激に進行する時期があります。たまたまフィナステリドを内服開始したタイミングと、AGAが急激に進行するタイミングが一致してかつ、無効例であれば、まるで内服したせいでAGAが進行したように見えていしまいます。
こういったケースにどのように対応するか、悩ましいのですが、まずは本当に進行しているのか見極めることです。前回診察と、頭髪の条件は多少でも違います。たとえば髪の長さや頭皮のべたつき具合、白髪の染め具合、写真撮影の条件など、バイアスがかかりやすいので、慎重に判断すべきです。そして一度内服を中止して様子見ることが一番はっきりすると考えます。内服を中止してAGAの進行が止まれば、有害事象であったから内服を中止して良くなった、もしくはAGAの進行がたまたま落ち着いた時期であり良くなったか、どちらかです。そしてもうしばらく様子をみて更なる進行があれば、無効例ということでしょう。しかし、長期にわたって(例えば6か月から1年といったところでしょうか)進行が止まれば有害事象であった可能性が高くなります。
また最近は遺伝子検査でAGAになるかどうかわかるのですが、その結果が今回のテーマであるフィナステリドによる有害事象であるかどうか、また、内服を続けるべきかどうか、直接的にはわからないと思います。
岐阜市薮田南 形成外科・美容外科・美容皮膚科ぎふスキンケアクリニック 男性型脱毛症AGAによるはげ プロペシア・フィナステリドに関する投稿
カテゴリ:AGA(男性型脱毛症)・女性の薄毛