院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2014.09.06
ショートスレッドリフトと呼ばれる、施術があります。数年ほど前から、韓国で大変人気になった施術メニューです。適応はたるみや肌のハリということになっています。私は経験ないのですが、バストやヒップのたるみにも施術しているクリニックもありますが、主には顔や首です。
呼び名はショッピング感覚?だとか、ショッピングの帰りに・・・、などの理由で付いたようです。ショッピングリフトと同様にリードファインリフトともよばれます。
長さ2~4㎝(折り返して)で髪の毛ほどの生体吸収糸を皮膚・皮下に何十本と挿入するという施術です。細い注射針に糸がセットされており、この針を突き刺して抜くだけで、糸だけが体内に残るようになっています。気になるフェースラインや、法令線などを中心に片側で20~50本ぐらいが平均的な本数と思います。
このように、ただ皮膚の下に糸を残すだけです。吸収されて無くなるのに10か月程度かかり、その間、皮膚、皮下に異物反応を起こさせ、その時に集まってきた細胞が、コラーゲンを増生させるよう、指令を出します。つまり、皮膚、皮下にコラーゲンを増やし、皮膚をタイトニングさせるということです。
したがって、何かにひっかけて吊り上げるわけではありません。(浮遊型、フローティングタイプと呼びます)
糸は交差するように挿入し、挿入も皮膚を引き上げた状態で行うので、直後には組織が支えられている感じがあるという先生もおられます。
また、リフトという名前がついているので、引上げ効果を期待しがちですが、そこまでの効果を感じられる方は少ないと思います。あくまで引き締め効果、肌質の改善です。
実際はフェースラインがすっきりした、小顔になった、頬の高まりがはっきりした、などと効果があります。
安全性について思うことなのですが、基本的に皮下までの侵襲ですから、顔面の機能的・整容的な後遺症は考えにくいと思います。したがって、安全性は高い施術ですと、患者さんに伝えています。
もちろん、皮下出血や腫れ、施術中の痛みなどは高率に起こりますが、これらは原則的には必ず治ります。
説明しておかないとトラブルになるようなリスクに関しては以下に挙げられます。
a)感染・・・
刺し口がニキビのように赤くなり、これが通常のニキビと違って2~3週しても変化しない、もしくは悪化する、などの症状です。
早めに受診していただければ、そのニキビ様の炎症の下に糸が見えていることが多いので、除去するだけで治っていきます。
しかし、悪化すると良くありません。皮膚の浅くに糸が入っていますので、糸に沿って赤味が広がっていきます。一部の皮膚が感染により自潰して、潰瘍になると、瘢痕(きずあと)がのこり、また、炎症後色素沈着というシミが、数か月残存することになります。
b)異常感覚・・・
これは一時的ですが、2か月近く続く方がみえます。ちくちく刺されている感覚が、残っていると言われます。
c)刺し口の盛り上がり・・・
これも一時的ですが、2~3か月続く方がみえます。特に笑ったりして表情を作ると、うっすら盛り上がってプクプクと刺し口がわかります。おそらく、中の糸が皮膚を押して盛り上がっていみえるのだと思います。
安全な施術と思うのですが、その分効果はマイルドですから、過度な期待は良くないです。安全といっても、感染に関しては、まれですがあり得ます。そしてさらに稀ですが、跡が残るリスクもあり得るので、よく考えてから施術を受けていただきたいです。
カテゴリ:スレッドリフト・フェイスリフト たるみ・しわ