院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2021.02.02
当院のQスイッチアレキサンドライトレーザーはキャンデラ社(アメリカ)のもので、キャンデラ社が定期的に学術セミナーを行っています。今月は異所性蒙古斑について、河野先生がご講演されています。当院でも異所性蒙古斑の治療は実施していますので、内容の多くは我々もよく知っている内容でしたし、新しく知るところは少ないですが、大変うまくまとまっているご講演でした。主な内容を分かりやすくまとめてみました。
生まれつきのアザは形成外科で日常的に遭遇する疾患です。青色のアザの代表が蒙古斑です。紀元前、ヒポクラテスの記載には、妊婦が腹をぶつけたことによってできるアザだとされていましたが、関係ありません。
お尻にできる蒙古斑は、自然に消えていくことが多いようです。しかし、お尻以外に出現した蒙古斑(異所性蒙古斑と呼びます)は、そうとは限りません。もし、異所性蒙古斑が成長しても消えずに残るものだったら、治療を要する場合があります。レーザー治療が第一選択です。しかし、自然に消える可能性があるなら治療せずに経過を見ることもあるかと思います。消えないとわかっているならば治療したい、治療したいならいつからするのが良いか。という疑問が出てきます。
・体や四肢に多発しているもの
・10㎝以上の大きいもの
・濃いもの
・お尻以外にある異所性蒙古斑
消退傾向のある、異所性蒙古斑は0歳から1歳にかけてでも薄くなっていくものがあります。そして6~10歳で消えていきます。上記に挙げたようなものは残存し全体の4~5%に当たります。また肩にできる青あざで伊藤母斑がありますが、こちらは自然消退はしないので、鑑別が重要です。
レーザー治療ですが露出部にある異所性蒙古斑は非露出部よりも治療が良く効きます。
レーザー治療は3か月に一度行うのが保険適応となっていますが、色素脱失という、色が白抜けする合併症を30%~60%に起こり得るため、(顔の青あざである太田母斑は色素脱失しにくく大変綺麗になるのですが)これを防ぐために最近では治療間隔を6か月程度まで伸ばすことも勧められています。治療については今後更新していきます。
カテゴリ:母斑(あざ・ほくろ) 院長ブログ