院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2017.10.26
当院では、医療アートメイクを行っています。眉・アイライン・リップはコスメティックに、また、乳輪乳頭再建、傷痕カムフラージュ、化学療法後の眉毛・ヘアラインの再建などにも応用しています。
アートメイクという技術は、医療行為と法的に認められており、現在、医療機関で医師の責任のもとでしか施術できません。
・レーザーで消去できること。・MRI撮影時に問題とならないこと。・酸化鉄を用いないこと。・アレルギーを発症する可能性を少なくすること。・完全オーガニックであること。と、教わりましたが、今回の勉強会では終始これらのポイントについて、深く掘り下げる内容でした。ひとつづつ見てみます。
これらをレーザーで完全に消すことができるのは全症例のわずか1.26%のみです。著効例は多くあります。
色や部位、色素の深さなどによって、レーザー治療を何回程度行うと良いか、事前に予測するツールがあるようです。黒は取ることができます。また赤も取れます。肌色は無効です。後に述べるように黒色化が懸念されます。深いものも当然取れにくいです。深いものを治療すると瘢痕が残ります。逆に深いものは入れる時点で瘢痕となっているため、レーザーが効きにくいです。これらの理由で除去すると瘢痕のみ残ります。これをゴーストイメージと言います。彫った絵柄や名前など、わかってしまいます。重ね塗りも取れにくいです。
レーザー治療により色素が粉砕されます。ピコ秒レーザーはより細かく粉砕可能です。細かく粉砕した方が、マクロファージやリンパ組織での輸送処理がしやすく、消えやすいです。レーザー後はしばらく時間を空けた方が輸送されて薄くなります。
・痛み ・水疱形成 ・痂皮形成 ・点状出血(特にYAG) ・蕁麻疹様反応(色素の変化による) ・色素沈着 ・色素脱失と白毛 ・ゴーストイメージ ・アレルギー反応(局所、全身の光アレルギー反応) ・黒色化(後述しますが茶色肌色白色を発色する鉄とチタンにレーザー照射すると黒くなります。一見黒に見えても、重ね塗りで2重に交じっていたりすると起こりますので注意)
1最小限の量を 2重ねることなく 3黒色化しない色素で 4浅く入れる
MRIが影響するには、静磁場の影響、傾斜磁場の影響、RFパルスの影響の3つが考えられます。静磁場では吸引力によるトラブルが問題となりますが、アートメイクに関しては磁性体の量が微量すぎて問題になることはありません。問題と考えられるのはRFパルスです。誘導電流が発生するため、ループができると発熱します。これは磁性体とは関係ないので、アートメイクのみで起こるトラブルではありません。アートメイクに関して言うならば、ループになっているデザインのタトゥで1度以下の温度上昇があるようです。とういことで理論上も実験場もあまり問題とならないようですが、過去の文献にはやけどの報告はあります・・・
色素は色素原料と水とグリセリンとアルコールでできています。色素原料には水に溶ける染料と水に溶けない顔料がありますが、アートメイクには顔料を使用します。顔料にはオーガニックとインオーガニックがあります。
植物由来すなわち有機物でアゾ化合物です。これは発色が良く、すべての色を表現で、安価です。しかし、レーザー治療すると色が変化することや、アレルギーの原因となりやすいこと、また皮膚内で化学変化し、特定芳香族アミンとなって発癌作用、アレルギー作用があるといわています。そこでインオーガニックの色素を使わざるを得ない現状があります。
無機物でカドミウム、水銀、鉛、コバルトなどもあるのですがこれらは発色は良いが健康被害が多いことで有名です。実際にはカーボンブラック(これも発がんの可能性あり)酸化鉄、二酸化チタンなどを使用します。
黄色や赤を発色する水酸化鉄や酸化第二鉄、酸化チタンなどで肌色として入れた場合、これにレーザー治療を行うと黒色化するという問題です。問題となる事例は古いアートメイクを消すために肌色を重ねて消すケースがあるということです。その部位はレーザー治療を知らずに行ってしまうと黒色化してしまうということに注意しないといけません。レーザーによる消去は問診の上、試しのの小範囲から始めるべきです。
カテゴリ:アートメイク
2015.04.27
さて、以下から本題です。
リップのアートメイクも眉毛やアイラインなどと同様に、普段のメイク時間を短縮でき、希望される方も多いです。
リップラインのみと、全体(フルリップ)と、状態に合わせてメニューを選択していただきます。
リップラインにエムラクリームという表面麻酔剤を塗布してあります。この状態で20分程度すると痛みを感じにくくなります。
もともとふっくらした唇の方ですが、上唇の外側の山の盛り上がりに左右差があり、修正を希望しました。また、人中中央部の窪みにメリハリが無いので、はっきりしたV字にしたい。口角を上げて見せたい、など、目的がたくさんあってフルリップの施術を行いました。
立体的でセクシーな唇になりました。
施術の様子です。まずはリップラインを入れていきます。
リップラインに使用するニードルです。
全体には束になったニードルで施術します。次に動画を供覧します。
こちらはリップラインをデザインに沿って丁寧に着色しているところです。
全体に着色しているところです。表面麻酔が効いており痛みはほぼありません。
術直後の腫れ
同日は少し腫れて軽くタラコになりますが、翌日には引いていきます。
・施術後は唇の粘膜に微細な傷がついた状態ですので、感染に弱いです。生野菜や生魚は2~3日摂取を控えてください。また、熱いものがしみて痛いと思いますので、十分冷まして摂取してください。液体はストローを使用したほうが良いと思います。
カテゴリ:アートメイク
2015.04.06
カテゴリ:アートメイク
2015.03.31
A 麻酔クリームを塗布するので痛みはほとんどありません。個人差がありますが、チクチクする程度です。
A 1~3年で薄くなりますが完全に消えることはありません。
A 初回はカウンセリングを含めて各部位1時間半から2時間ほどです。約1ヶ月後に2回目の施術を行いますが、この時は1時間程度です。
A まずは眉や、アイライン、リップラインなどお悩みをお聞かせください。ご希望を伺いながら技術者が表情筋の動きなどを分析し、ご満足いただけるデザインをご提案いたします。
A 他のサロンやクリニックで施術され、薄くなっているアートメイクもメンテナンスいたしますのでお問い合わせください。
A 当院ではMRI検査で影響の出にくい色素を使用しておりますので検査に影響はありません。
A 施術箇所によっては3日ほど軟膏を塗っていただきます。当日は入浴、アルコールは控えていただきます。
2015.03.13
詳しいデザインの仕方、施術の流れについては、後日詳細をアップします。
ひとまず、
上の写真は施術に使用するニードルです。9本の針が斜めに並べられています。技術者はオリジナルでこのニードルを調整し、最も使いやすいようにしています。また、この針は必要以上に深く入らず、色素をちょうど入れたい表皮の深さに入れることができます。
タッチアップには電動のニードルを使うこともございます。
自然な眉毛の流れを再現できます。
カテゴリ:アートメイク
2015.03.12
アイラインはまつ毛とまつ毛の間も含めて、丁寧に色素を入れていきます。外のラインは将来の皮膚のたるみなどのを考慮して、無理に入れないように延長しません。写真は施術直前です。この患者さんのように、まつ毛が程よく外向きになっておりますと、アイラインのアートメイクがとても映えます。
エムラクリームで表面麻酔をします。20分ほどだけでもかなり鎮痛作用が出ます。施術中に痛みはほぼありません。写真は麻酔クリーム(エムラクリーム)を塗布しているところです。
施術には特殊なニードル(使い捨てです)で丁寧に色素を入れていきます。術後の腫れは、わずかでよく泣き腫らした感じが1~2日が標準的な経過です。施術に要する時間は両目で30分程度です。朝のメイク時間が短縮されますし、安定した綺麗なアイラインをご提供致します。3~4週後、タッチアップでもう一度施術して、色素を安定させます。
初回はまつ毛とまつ毛の隙間を埋めるよう、内側のラインにベースラインを着色します。1か月後のタッチアップの際にはやや上方まで、ご希望に合わせたラインにデザインしていきます。
インラインへ綺麗に着色されています。
また、アイラインはまつ毛が程よく外向きの方が映えますので、一重まぶたの方や、奥二重の方は、埋没法などの重瞼術をお受けになられると喜ばれます。埋没法による二重の手術とアイラインのアートメイクは、先にアートメイクを入れていただき、タッチアップが終了してから埋没法を受けていただいた方が良いと思います。理由はアートメイク施術中にまぶたをけん引しながら行いますが、埋没糸にできるだけ負担をかけたくないからです。
これは皮膚の代謝の個人差にもよります。また大きな要因として、特にタッチアップ時に電動ニードルを使用しますと、刺激で涙が多く出る方がお見えになります。涙に洗い流されながらですと、色素の入り具合が悪くなることがあります。通常は1年前後でタッチアップしますが、初めの1か月でかなり薄くなってしまう方も稀ですがお見えです。1か月以内の消失は当院の補償プランをご利用いただきます。
1~3日程度は泣き腫らした後ぐらいに腫れることがございます。翌日に大切なイベントがあるときなどは施術は避けておくべきです。
術後の腫れの引きが悪く、痛みが続いている時は結膜炎の可能性があります。稀ですが、厳重に経過観察いたします。また、術後に抗生物質配合の眼軟膏を塗布しておいていただきます。
術中は麻酔クリームの影響でほぼ痛みはありませんが、術後数時間から1日程度、ひりひりと痛むことがございます。必要な時は痛み止めを処方致します。2∼3日も痛みが続く場合はトラブルが起こっている可能性がありますのでお申し出ください。
カテゴリ:アートメイク