院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2015.10.01
擦り傷や切り傷の治療方法で正しいものはいくつかありますが、正しい考え方は一つです。それはmoist wound healing湿潤環境です。傷からは本来浸出液と呼ばれるいわゆるジュクジュクした体液が出てくるようになっています。「かさぶた」はその傷を乾かすことにより浸出液が固まってカチカチになったものと考えることができます。かさぶたが傷にくっついているということは、傷が治っているということとは全く違います。新しい上皮組織が傷をふさごうとする治癒機転を妨げているということになり、かさぶたの下で傷は存在しつづけているのです。時間さえかかればかさぶたの下で上皮が張るのですが、湿潤療法よりは、はるかに遅延します。
また、かさぶたはたんぱく質のかたまりであるので、細菌感染の母地になり得ます。つまり、かさぶたの下で傷が膿んでしまうリスクを抱えることになるのです。
しかし、必ずしも悪いとは言いきれません。従来よりかさぶた逆に、外部からの刺激を遮断するものだという考え方があります。物理的な刺激からや、汚水などからも傷を保護しているという考え方です。たしかに、かさぶたがつくと、痛みも軽減したような気がしますし、水がしみないから楽になります。
はい。行います。2つの方法があります。
①かさぶたを外来処置で除去します。そして傷をあらわにして被覆材による湿潤療法を行います。
これは湿潤療法で湿潤が足りなくてできた部分的なかさぶたなど、比較的痛みなく除去できるなら上記のように処置します。しかし、かさぶたがしっかりとくっついていて、また小児で処置が困難な場合などは②のように処置します。
②かさぶたの上に被覆材で密閉します。すると浸出液が溜まりだし、すでに固着したかさぶたが柔らくなり取れていきます。洗浄や被覆材を交換するたびにかさぶたは取れてなくなっていきますから、通常通り湿潤療法を続けましょう。
感染さえしていなければこれで問題ないと思います。すぐにかさぶたは取れます。
岐阜市薮田南 形成外科・美容外科ぎふスキンケアクリニック 湿潤療法・擦り傷・切り傷・けが・かさぶた・創傷治癒に関する投稿
2015.09.29
AGA(男性型脱毛症)に関して、皮膚科学会のガイドラインでも認められている第一選択薬フィナステリドですが、高い有効性と低い副作用発現率で大変優秀な薬であると考えられております。
したがってこれまでの経験上、フィナステリドを内服して、症状が悪化する(禿が進行する)ということは一度も経験がありません。では、内服を開始して症状が悪化することがあるのでしょうか?理論上とても考えにく事象と思います。しかし、最近当院でも悪化と思われる患者様に遭遇しました。症状の悪化には2つの考え方があります。
①一つは薬剤の副作用もしくは有害事象です。5αリダクターゼ阻害以外に何らかの作用が及び、他の機序でAGAの進行を認めるという、大変特異な事例と思います。あくまで私の私見であって根拠のある話ではございません。
②もう一つは薬剤が無効ということです。AGAの進行は人にもよりますが、周期的に段階的に急激に進行する時期があります。たまたまフィナステリドを内服開始したタイミングと、AGAが急激に進行するタイミングが一致してかつ、無効例であれば、まるで内服したせいでAGAが進行したように見えていしまいます。
こういったケースにどのように対応するか、悩ましいのですが、まずは本当に進行しているのか見極めることです。前回診察と、頭髪の条件は多少でも違います。たとえば髪の長さや頭皮のべたつき具合、白髪の染め具合、写真撮影の条件など、バイアスがかかりやすいので、慎重に判断すべきです。そして一度内服を中止して様子見ることが一番はっきりすると考えます。内服を中止してAGAの進行が止まれば、有害事象であったから内服を中止して良くなった、もしくはAGAの進行がたまたま落ち着いた時期であり良くなったか、どちらかです。そしてもうしばらく様子をみて更なる進行があれば、無効例ということでしょう。しかし、長期にわたって(例えば6か月から1年といったところでしょうか)進行が止まれば有害事象であった可能性が高くなります。
また最近は遺伝子検査でAGAになるかどうかわかるのですが、その結果が今回のテーマであるフィナステリドによる有害事象であるかどうか、また、内服を続けるべきかどうか、直接的にはわからないと思います。
岐阜市薮田南 形成外科・美容外科・美容皮膚科ぎふスキンケアクリニック 男性型脱毛症AGAによるはげ プロペシア・フィナステリドに関する投稿
カテゴリ:AGA(男性型脱毛症)・女性の薄毛
2015.09.29
・クマが目立つ
・皮膚のたるみ
・笑い皺や縮緬皺
・クマの下の深い溝
・目袋の突出
・涙袋の縮小
などなど、たくさん挙げられるのですが、ヒアルロン酸注入ではこれらの症状のいくつかは改善することが可能です。
・クマの下の溝に直接注入することは後で述べるリスクがあるのですが、この溝のすぐ下(眼窩下縁)に注入することで、目元のたるみ感を軽減したり、頬がリフトアップした感じを出すことができます。また目袋の突出も幾分ごまかすことが可能です。
・細かいシワには非架橋ヒアルロン酸やコラーゲンを注入することでハリを出したりシワを浅くしたりできます。
・ふっくらした涙袋は若々しくかわいらしい印象を出すことができます。こちらも少し粘度の高いヒアルロン酸で形成することがでるのは、昨今の芸能人などで有名な話ですね。
目元に限らないものもあるのですが、以下のようなトラブルが考えられます。
・ヒアルロン酸の過注入
とくに涙袋で注入量が多すぎ、すなわち過注入しますと、不自然に下垂してきて目袋が大きくなったように見えます。目袋が大きくなるということは、とても老けた印象を醸し出します。
・ヒアルロン酸の過少注入
これは単純に注入量が少なくて効果が物足りないということです。これは再注入するだけのことですから大きな問題ではありません。
・ヒアルロン酸のアレルギー
まれですが何千人に一人ぐらいは赤くはれたりするアレルギー反応が生じることがあります。
・ヒアルロン酸が透けて青く見える
目元の皮膚は体のなかで皮膚が最も薄い部分です。ヒアルロン酸の注入層は、涙袋は眼輪筋内ですが、目袋の下の深いシワは骨膜上といって比較的深めに注入することが多いです。しかし皮膚のすぐ下という極めて浅い層に比較的固いヒアルロン酸を注入してしまうと、青く透けて見えることがあります。チンダル現象と言われています。
トラブルへの対応としては注入されたヒアルロン酸を溶かす薬剤「ヒアルロニダーゼ」を同じ部位に注入することです。当院ではヒアラーゼ1500単位を1㏄の生理食塩水で溶解し、気になる目元へ0.1㏄程度注入しています。注入後よりすぐに融解が始まり、数日で落ち着きます。
岐阜市薮田南 形成外科・美容外科・美容皮膚科 ぎふスキンケアクリニック ヒアルロン酸注入・ヒアルロン酸を溶かす注射(ヒアルロニダーゼ)・目元のしわ などに関する投稿
2015.09.29
皮膚の表面にできるできものについて、インターネットでいろいろ検索すると、患者さんは粉瘤(アテローム)が、自分にもある!と気付かれるようです。当院は粉瘤(アテローム)の患者さんが多く来られますが、意外にも「粉瘤ができました」と訴えてくる方は80%で、その他の方は「なんかしこりができたんですけど・・・」という方です。
粉瘤(アテローム)も皮膚良性腫瘍の代表格ですが、上記の80%の中で、本当に粉瘤であることは70%程度といった印象です。30%は他の良性腫瘍ということです。ではどんなものがあるのか、この9月に手術した腫瘍をご紹介します。(以下、術中写真がございますので、苦手な方はテキストのみ読みたいとお問い合わせください)
これは大変わかりにくいのですが、5㎜程度のしこりと、皮膚の表面に孔があります。小さな粉瘤を疑う所見です。
これも小さな粉瘤です。極力小さな傷で袋ごと綺麗に摘出するようにします。
この写真も粉瘤(アテローム)です、切り取った腫瘍から、内容物が出てきているところです。角化剥離物と呼ばれる、垢のような粥状物が充満し、とても臭いです。
この腫瘍は皮膚表面に石ころが入っているかのように固い腫瘍です。表面から透けて青っぽく見えることがあります。(これはよくお子様の顔面で見られます)写真は成人まで育て上げた少し大きめの石灰化上皮腫です。粉瘤や脂肪腫に続いて割と頻度の高い良性腫瘍と思います。粉瘤と同じく、感染することもたまに経験します。
これは足底にできたものです。何らかの原因で、毛細血管が拡張し、このように赤く盛り上がった腫瘍になってしまうものです。教科書的には手術で摘出するのが最も確実で、小さい物は液体窒素で冷凍凝固することもあります。次の写真は頭皮にできた血管拡張性肉芽腫です。
今回は単発でしたが、多発性脂腺嚢腫という疾患もあります。一見粉瘤ではないかと思って手術しましたが、剥離すると薄い皮膜に包まれた脂腺嚢腫ということでした。
乳輪にあるブツブツで、モンゴメリー線です。美容外科にはこの乳輪のブツブツを除去してほしい方がお見えになります。小さいですがわずかでも傷痕が残っていしまいますが、ご希望により摘出します。写真はおそらくモンゴメリー腺とその周囲の結合組織と思います。モンゴメリー腺は生理学的な意味があります。
・わきがで有名なアポクリン腺という汗腺の一種で、乳腺が開口しているモンゴメリー腺もあります。児の哺乳意欲を高めるような匂いを分泌すると言われています。したがって、モンゴメリー腺の数が多いほど、生後の生理的体重減少が少なく済むと言われています。
・一つに乳輪に7~8個と、ある程度数が決まっているようです。また、乳輪の中でも上外側に多く分布します。この場所は乳児の鼻が当たりやすい場所です。
カテゴリ:皮膚良性腫瘍(おでき)
2015.08.25
美容目的で顔に当てて転がすローラーを一度は使ったことがあると思います。いわゆるコロコロです。これらはローラーを転がすことで皮膚の血流やリンパ流を良くする効果があると言われております。長年にわたって続けることでアンチエイジング効果があるのかもしれません。また素材を工夫して作られるようですが、医学的根拠は聞いたことがありません。
私の持っているローラーはエンビロンのコロコロです。
従来のコロコロと違うことは、ローラーの表面に0.2㎜長の針(突起)が配列されていることです。つまりこれを転がすと少しチクチクするわけです。
写真ではわかりにくいですが、肉眼でもはっきりわかる突起です。指でなでると引っかかります。
下の写真はダーモスコープロールの表面を拡大しています。突起がよくわかります。
通常のエンビロンホームケアは洗顔→トーナー→保湿ですが、ロールキットはトーナー塗布後に使用しその後保湿するという順序でしようします。
上図のごとくロールキットを転がすと無数の微細な孔「マイクロチャネル」が角質に開くことで保湿剤に含まれる有効成分(ビタミンA)が100倍浸透するという理論です。0.2㎜の針は肌の弾力を無視すると表皮有棘層に当たるぐらいかと思います。バリア機能に何らかの影響を与える可能性はあるかと考えられます。
エンビロンスキンケアシステムでホームケアを開始すると、少しずつビタミンAの濃度を上げていきます。そのたびにどんどん肌状態が改善していくのを感じます。しかし、ビタミンA濃度がマックスで使用していると、更なる美肌効果を出すのが難しく、良くなった現状を維持していくこと(それでも一般的な化粧品では難しいことです)になります。そこでロールキットを導入すると、更に上の美肌を得ることができます。しっかり使い続けるとその差がはっきりと出る印象です。
・使用後、保湿剤が吸い付く感じがします。浸透している実感です。これは凄い!という感動です。患者さんもそのように言われる方が多いです。これはおそらくまずマイクロチャネルに毛管現象として入り込むことと思います。そしてマイクロチャネルにとどまっている成分は通常よりより総面積の広い皮膚から吸収されることになります。ただ、この保湿剤の吸い付く感じは、ロールキットを使っている間にトーナーが完全に乾くので、いつものお手入れと同じ量のジェルでは物足りないだけでは。と思ったこともあります。しかしそんなことはありません!やはり使用後にはロールキット無しでは得られない凄いハリ感もでます。直後のこのハリはいつもよりも保湿が十分になされている証拠と思います。強く腫れるほどの刺激はありませんから。
・ロールキットを転がしすぎると、肌の微細な炎症を引き起こす可能性はあります。ですのでほどほどの使用にすべきです。特に注意したいのは、肝斑部位です。禁忌とは思いませんし、肝斑部にエンビロンが十分浸透するのならば肝斑にも有効なのでしょう。しかし、物理的刺激による慢性炎症は肝斑の重大な悪化因子です。肝斑部は優しく、回数も少なめ、そして決して強く押し付けないよう注意しておく必要があります。特に頬部の骨の上などは力がかかりやすいと思いますから注意が必要です。
カテゴリ:スキンケア・エステ・コスメ
2015.08.23
メガネの鼻当ての当たるところって、黒ずんでシミになっている方はとても多いと思います。このシミは慢性的な機械刺激、つまりパッドによってこすれたり圧迫されたりして皮膚が慢性炎症を起こし田状態が続くため、炎症後色素沈着が全然改善しない状況になっています。炎症後色素沈着の治療方法について
そこでノーズパッドのないメガネを提唱して開発した先生が、新潟にある美容皮膚科の野本先生です。当院では同先生の開発したミネラルファンデーションも採用し好評のため、メガネもどんなものか興味があり、先日の日本美容皮膚科学会で現物を見てきました。
このサングラスはノーズパッドは無く、サイドパッドが頬骨に当たることでささえています。写真では透明の素材のサイドパッドがわかります。
こちらはAirFly(㈱ジゴスペック)です。同社同製品のHPはこちらです。同様の機構です。顔にフィットするよう、自分でパッドやテンプルを調節することが可能です。
私は実際に買って使っています。このサイドパッドによる恩恵をまとめてみます。
心配なことはサイドパッドがあたる部位は慢性的な刺激でシミにならないかということです!鼻よりも圧が分散しそうですから、大丈夫かと思うのですが・・・。こまめにパッドの当たり方を調節しておくしかないと思います。3時間使用した時の、右頬部の発赤の写真を示します。
ごく軽度です。それより毛穴が目立つので、がんばってエンビロン、ロールキットを転がさないといけません。
今回日本美容皮膚科学会でこの展示ブースはなかなか盛況でしたから、こんご世に広まっていくこと期待しています。
ご興味のある方は、当院「形成外科・美容外科ぎふスキンケアクリニック」にお問い合わせください。
今回は特殊なシミの投稿でした。光治療やレーザー治療ではダメです。そもそもそこにパッドが当たらないようにしないと!
2015.08.16
色は褐色調ですが、黄色っぽいものから黒色調のものまでさまざまな濃さのものがあります。大きさは数mmから2~3cmくらいで、平坦なもの(老人性色素斑とも言われます)やわずかに盛り上がるものから突出したしこりになるもの(老人性疣贅やアクロコルドン)まであります。
写真は背中の脂漏性角化症で、茶褐色の小さな点々があります。(写真下方の左右にある濃い黒い点はホクロですから、脂漏性角化症とは全く違います)
良性ですから放っておいても問題はありません。アンチエイジングの観点から考えると、やはり肌老化を感じさせ、老けた印象で、決して若々しくありません。また、多発すると、自分でも見た目が気持ち良いものではないなと、思ってしまいます。
小さく平坦、もしくは若干の盛り上がりのあるものは炭酸ガスレーザーによる除去が良いと思います。病変は皮膚のとても浅いところにあるので、除去しても正常な皮膚が再生するため、痕が残りません。ちなみにホクロはレーザーで除去しても、病変が深いので少なからず痕が残ります。
写真は除去後の同じ部位です。(ホクロは痕が残るので取らなかったケースです)治療直後ですが、若干の赤みがあります。少し擦り剥けた状態ですから、数日軟膏を塗布しておいていただければ綺麗に治ります。
麻酔は無しでも耐えられることが多いです。ご不安な方には麻酔クリームを塗布します。
他の治療法としては、大きいものは手術することもあります。また、液体窒素による凍結療法も行う施設があります。電気メスで焼く施設もあります。手術は別として、凍結療法や電気メス焼灼は脂漏性角化症の病変周囲にも損傷が広がることもあり、その結果、炎症後色素沈着という、治療後の数か月続くシミになったりするリスクが高くなると思います。炭酸ガスレーザーは周囲組織への影響を最大限抑えるように工夫されているので、最も愛護的な除去方法と思います。
下の写真は治療翌日です。治療部位が赤い点状に見えます。数日で治ってしまいますが、顔や首など、見える部位の場合は施術時期を考えた方が良いかと思います。
前述のとおり、大変優れた治療方法ですので、デメリットは少ないです。ぜひとも治療されることを希望します。下の写真は頸部の脂漏性角化症、アクロコルドンと呼ばれるものやスキンタッグ、軟性線維腫といった首のイボです。左は治療前、右は治療後1週間目です。とてもきれいになっていますし、清潔感と若々しさが戻った印象です。
・治療は麻酔をしなかったので、若干の痛みがあること。
・沢山の個数を治療すると時間がかかり、痛みと焦げ臭い匂いで少しつらいこと。
・手間をかけて治療した分、大変エクセレントな結果になること。
上記のような多発例には向きまんが、孤発例の治療では、拡大鏡(ダーモスコープ)をしようして、綺麗に取れているか確認しながら治療しています。
このように拡大鏡を使用すると、除去できているかよくわかるので、極力浅く最小の侵襲で治療することが可能です。また、逆に取り残しの可能性も少なくなります。
カテゴリ:シミ 皮膚良性腫瘍(おでき) 院長ブログ
2015.07.20
先日、当院の扱う基礎化粧品エンビロンの販売元プロティア・ジャパンのフォローアップ研修に参加してまいりました。代表の戸澤氏から、同氏の提唱するアクティブエイジングについての講演を拝聴いたしました。「老化現象は加齢に伴う病気である」という考え方をされています。以下にご紹介いたします。
アンチエイジングという言葉は、直訳すると対加齢ですが、加齢現象を止めることはできません。今、社会の求めるアンチエイジングは正しく、アクティブエイジングではないのでしょうか。アクティブエイジングには3つの要素があります。
魅力的に年を重ねていく。健康的なボディシェイプ、若々しい肌など、老化を予防しながら魅せられる自分になりたいものです。
生産的な活動力、精神力を伴いながら都市を重ねよう。税金を納められる老人を目指そう。など、いろいろ解釈できますが、体力、知力、気力を保っていけるように体と心を鍛えながらそして食を考えながら過ごすことが、大切になります。
上記2つを満たす時が、本当の成功なのだと思います。魅力を失ってもまあいいや、人の世話になってもまあいいや、それでも成功といえますか?そんなことを望む人はいないと思います。
アクティブエイジングのために必要なことをプロティアジャパンは「肌 エンビロンスキンケア」「心体 パワープレート」「食 ドクターズサプリメント」の3つから提供しています。
また、医療と非医療の調和をめざします。たとえばアトピー性皮膚炎のケアをステロイドや免疫抑制剤などの医療介入だけで良くなるのでしょうか?やはり日々のスキンケアで行わなといけないことがあると思います。当院でも、アトピーや重症のニキビ、シミ、しわ、また術後のケアなど、医療的介入とエンビロンスキンケアシステムを相互作用させて、良い結果を出しています。当院はエンビロンスキンケアが大変好評をいただいております。私は使用して2年ほどになりますが、肌老化を感じるよりはむしろ肌は良い状態になってきていると実感しています。
パワープレートについてはまた今後とりあげますが、三次元加速度運動を実現した、フィットネスマシンです。体験してきたので、写真をアップします。
三次元高速振動の上でストレッチ
同様に、振動を受けながら、全身に負荷をかけます。
当院のスタッフが下肢のマッサージを受けています。振動の上にバランスボールで圧迫します。
カテゴリ:アンチエイジング
2015.07.14
医療機関でも教育現場でもよく耳にするアナフィラキシーという病気があります。これはわかりやすい例に例えると、給食でそばを食べたら具合が悪くなって重篤な症状、時には死亡してしまうという、即時型アレルギー症状の最重症型です。アレルゲンに暴露されると、早いと30分以内に死亡することもあります。まずは体に発疹が出て全身がかゆくなるなどの皮膚症状、続いて腹痛や吐き気などの消化器症状、さらに声がかすれたり、ゼーゼーと息苦しくなったり、気が遠くなったりする呼吸循環器症状を経て血圧が下がり心停止へ至ります。
教育現場では、嘱託医や保健師が給食アレルギーや上記のようなアナフィラキシーについて啓蒙教育活動を続けております。給食では思いもかけず、アレルギーが発症する危険性があります。また、医療現場では初めて使うククスリなどで引き起こされる事がよくあります。最も良くあるのは局所麻酔薬、全身麻酔薬、造影剤と思います。ですからこれらの薬剤を使用する場面では、必ず緊急蘇生セットを常備しています。当院でも手術室に備えをしてあります。その他、ハチなどの虫刺されや蛇かまれなど、山岳の現場で起こすこともよくあります。
呼吸循環器症状の出ている重症例では救急車の到着を待つ間にエピネフリンを投与すべきと言われます。写真は当院でスタッフが投与の練習をしているところです。このように、エピネフリンを誰でも自己注射できるようにしたのがこのエピペンです。太ももの外側にペンを押し当てると、22Gという太さ0.7㎜の針が17㎜飛び出してきて薬を筋肉注射するというものです。
もともとアメリカ軍が開発したペン型注射で、エピペンもアメリカで製造されています。よく戦争映画で負傷した兵士が自分でモルヒネを注射してるのを思い出します。
万一院内でアナフィラキシーが発症したら、エピペンを使用しても良いのですが、従来より、ボスミンというエピネフリン製剤が常備されております。エピペンは製造より20か月程度で破棄しなくてはなりませんので、院内で長期管理するにはボスミンが合理的です。しかし、やはり誰でも使用できるように設計されたエピペンはなんとなく置いておきたくなる良い薬剤と思います。
2015.07.07
ホクロを取りたいと思う方はとても多く、当院でも日常的な施術となっております。しかし、いくつか問題点もあり、その一つが再発です。
ホクロの細胞はタイプにもよりますが、比較的皮膚の深いところまで存在します。レーザーなどで焼灼して蒸散させる方法がメジャーですが、この場合、皮膚の少し深くまで焼くので、術前と同じ皮膚は再生せず、傷痕として残ります。切り取る処置をしても痕が残ります。
焼くにしろ切るにしろ、良性のホクロを余裕をもって広く取るわけにはいきません。つまりなるべくぎりぎりの幅で、そしてぎりぎりの深さで取り、欠損を最小限に使用とします。しかし、ホクロ細胞はミクロのレベルで周囲に残存してしまう可能性があります。すると、約1~2か月後に再発するというわけです。
再発と言っても、元の大きさや盛り上がりがそのまま復活するわけではありません。概ね消えたのだが、縁っこに少し黒い点が出てきた・・・とか、黒くはなくなったが、うっすら全体に灰色っぽくなったとかあり得ます。これは切り取っても焼いても起こり得ます。焼灼で起こりやすいですが、切り取りでもぎりぎりだとあり得ます。
ダーモスコープで病変を10倍に拡大して、色素の取り残しを確認しながら行っています。最初は3.5倍拡大の手術用ルーペで取り残しを確認したり、切除範囲をマーキングしたりしていました。しかし10倍だと本当によくわかります。ほくろ切除範囲を見る
切除したにもかかわらず、辺縁や下床から再発した症例です。
切除瘢痕組織の内部に色素斑が散在して再発しました。これをダーマスコープで確認すると、
細かく色のあるところとないところ、瘢痕のわずかな盛り上がりやその縁に沿って再発していたり、状況がよくわかります。ダーモスコープを当てながら処置は出来ませんが、手術用ルーペを使用して、炭酸ガスレーザーで焼灼しました。
ダーモスコープで取り残しなく焼灼できているのが確認できます。
拡大して見て治療すると、肉眼で見えてなかった部分が見えるわけですからより丁寧に無駄なく治療ができます。治療のクオリティは上がると考えられます。
カテゴリ:母斑(あざ・ほくろ) 院長ブログ