形成外科
plastic surgery
ほくろ
mole
顔の“ほくろ”は印象を決めます。
除去すると若く見え、肌がきれいに見えることも。
皮膚がんとの区別は専門医に相談。
医学的には母斑細胞母斑もしくは色素性母斑という病名です。黒いメラニン色素を産生するメラノサイト系細胞である母斑細胞の増殖したものです。
比較的小さなもが俗に“ほくろ”と呼ばれています。
“ほくろ”は年々増えていったり、盛り上がってきたり、色が抜けてきたりと変化をします。しかし月単位での急な変化は皮膚がんの可能性もあります。
特に高齢者の顔面や手背など日光露出部にできやすい皮膚がんは多く遭遇します。
また以前からある足の裏の“ほくろ”がすぐに皮膚がんになることは少ないですが、最近気づいたものであれば受診されるのが安心です。
ほくろと誤診してはいけません。
ほくろやシミと
誤診してはいけません。
赤い腫瘍の周りに、ほくろに似た
病変があります。
いぼ
warts
よく頸部や腋にできる柔らかく少し茶色の小さなイボです。
年寄りイボなんて言われます。
頬部などによくできる少し隆起したシミイボです。 紫外線などの影響でシミのついた盛り上がった病変です。
ヒト乳頭腫ウイルスの感染で生じるイボです。
ある種のウイルスにより、
固いイボが盛り上がってきます。
どこにでも発症し得ます。
数ミリ大の黄白色のイボです。
脂腺の増殖・肥大によるものです。
左右対称でまぶたにできる小さな多発イボです。 汗の出口が部分的に増加してでき、女性の目の周りに多発することが多いです。
白くくっきりした袋状の構造を持つ
イボです。表皮の中にある小さな白
いイボで、顔面や陰部に
できやすいです。
治療方法
method
ほくろ
mole
医学的に、取ってはいけない、という“ほくろ”はありません。
整容的観点から除去の適応との考えもありますし、
皮膚がんとの鑑別の観点から切除検査する考えもあります。
除去方法には大きく2つの方法があります。摘出手術とレーザーによる焼灼術です。
いずれも局所麻酔薬を患部に注射して処置を行います。
麻酔時は若干の痛みを伴いますが、手術中や術後はほとんど痛くありません。
メスなどを使って母斑細胞を周囲から完全に切り取る方法です。
紡錘形に切開して、線状に縫合閉鎖します。
単純縫合前
単純縫合直後
治癒後
ほくろの形に合わせてくり抜き、傷口の内側に縫合糸を通して、巾着袋の紐を絞めこむように閉鎖します。
(くり抜き径が小さいものであれば、縫合せずに自然閉鎖させることもあります。)
巾着縫合前
巾着縫合直後
治癒後
約1週間後に抜糸を行い、その後約3か月、テーピングを行います。
炭酸ガスレーザーや高周波メスなどを使用して、
母斑細胞を上から削り取る方法です。
削った部位は開放された傷の状態ですが、
湿潤療法で自然に皮膚が修復されるのを待ちます。
大きさ、部位、患者様の希望などを考慮して
上記方法を使い分けて治療します。
ほくろレーザー焼灼前
ほくろレーザー焼灼後
いぼ
warts
当院では炭酸ガスレーザーによるイボの焼灼を行っております。
根っこの浅いイボですと、跡が残らず除去が可能です。
脂腺増殖症や汗管腫はやや深く処置しないとすぐに再発しますから、
赤みや跡が長引きます。ミリウムは炭酸ガスレーザーよりも、
つまみ出した方がきれいに除去できます。
基本的に無麻酔で可能なことが多いですが、
大きいものでは注射による麻酔を行ってから処置します。
当院では、加齢によるいぼ(老人性疣贅、脂漏性角化症、アクロコルドン)は原則自費診療とさせていただきます。診断によっては保険適応となることもあります。診察時にお伝えいたします。
頚部のアクロコルドン
いぼレーザー焼灼前
いぼレーザー焼灼後
いぼ状の病変(老人性疣贅、アクロコルドン、ミリウムなど) の処置(税込) |
||
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初診料 | ¥3,300 | |
再診料 | ¥1,100 | |
処置料 (1個につき) |
~3㎜ | ¥1,100 |
3~5㎜ | ¥2,200 | |
5㎜~ | 要相談 |
ミリウムの場合、処置料が1個につき¥2,200となります。
シミが盛り上がった病変(老人性疣贅、脂漏性角化症) の処置(税込) |
||
---|---|---|
初診料 | ¥3,300 | |
再診料 | ¥1,100 | |
処置料 (個数に係らず長径の合計) |
長径5㎜まで | ¥4,950 |
長径1㎝まで | ¥9,900 | |
長径1.5㎝まで | ¥14,850 | |
長径2㎝まで | ¥19,800 |
注意事項
notes
ほくろ
mole
ホームケアとアフターケア
care
術後は翌日より創部もシャワー浴で洗浄可能です。創部を含めた入浴やプールは1週間後の抜糸等処置後から可能です。消毒は不要です。
創部は創傷被覆材を使用して保護し、ご自身で交換しておいていただきます。被覆材の上からメイクが可能です。
どの方法で治療しても術後3か月程度、強い赤みと黒ずみ(炎症後色素沈着)が出現します。
6か月から12か月かけながら徐々に目立たなく馴染んでいきます。
炎症後色素沈着がある期間は特に紫外線対策や保湿を心掛けていただきます。
洗顔、入浴などは制限がありませんが、処置部は少ししみることが多いです。
処置後より、湿潤療法に使用する被覆剤(シール)を貼付して、時々交換していただきます。それほど目立ちません。
しかし、処置の箇所が多いほど、シールが多くなり目立つことになります。3日ほどで傷が治ります。シールの上から化粧が可能です。
その後軽度の赤みや炎症後色素沈着が1ヶ月程度生じますが、その間、UVケアに留意していただければ完全に消退します。
Q&A
questions and answers
保険適応でしょうか?
ほくろの診療は保険適応で可能です。
しかし、一度に処置できる個数や部位に制限がございます。概ね同一部位において1~3か所程度で、3割負担の方ですと1万円程度とご案内させていただいています。
いぼの診療は自費診療とさせていただいております。自費診療の利点として、処置の個数に制限はございません。ご予約時に大体の個数など確認させていただいています。
手術中の痛みはありますか?
局所麻酔の注射を行いますので手術中は痛みはなく
触っている感覚が
あります。
注射のチクッとした痛みはありますが
一瞬で我慢できる程度です。
傷跡は残りますか?
ほくろの除去はその大きさにもよりますが、傷跡が少なからず残ってしまいます。十分カウンセリングをして予測される傷跡の具合を説明いたします。
加齢性のいぼは傷跡を残さず処置可能なことがほとんどです。脂腺増殖症や汗管腫は傷跡が残ってしまう可能性があります。
皮膚の癌か調べてもらえますか?
摘出した細胞が悪性であるか、病理検査で調べます。
施術時間はどのくらいですか?
診察に15分、施術に10分、術後説明や会計まで含めると
45分程度を要します。
入浴はいつから可能ですか?
当日よりシャワーは可能です。
傷もシャワーできれいに洗い流してください。
傷の処置方法、ガーゼ、テープの使用方法などは
しっかりと説明いたします。