顔のシミにはいくつかの種類があり、単発、混在して存在します。
どんなシミか、によって、治療方法も変わってきます。
私たちができるシミ治療は、
・レーザー照射 (レーザーフェイシャル、Qスイッチレーザー、レーザートーニング、炭酸ガスレーザーなど)・フォトフェイシャル・トレチノイン、ハイドロキノンなど、外皮用薬・トラネキサム酸、ビタミン類など、内服薬・ケミカルピーリング・イオン導入・その他、化粧品による美白治療・日常生活の改善などなどいろいろあります。正しい診断と、適切な治療を選択、組み合わせることが、効果的なシミ治療につながると思っています。
ところで、肝斑というシミがあります。頬、額などに左右対称性に茶色のぼんやり・ぺったりした感じに広がる、女性特有のシミです。原因は女性ホルモンが関係しています。その部位で炎症(何らかの刺激により起こる、組織・細胞の様々な反応)が生じ、そのためメラニン色素が表皮の奥で過剰産生されているとされています。
カウンセリングで日常生活の注意点としてお伝えしていることをご紹介します。
基本的な考え方は「刺激をしない!」ということです。
①日焼けしない。 紫外線暴露は、肝斑の悪化因子として最重要と言えます。
◆日焼け止め、帽子、日傘などは必ず使用してください。
◆たとえ10分、バルコニーで干し物をするときも注意です。
◆海、ゴルフなどが趣味の方は日焼け止めはSPF50以上PA++++、塗り直しができるのならかできれば塗りなおすべきです。しかし、レジャーではなかなか化粧の上に塗り直しなどできませんから、ヘリオケアという飲む日焼け止めも使用してみてはいかがでしょうか。
◆日焼け止めは普段はSPF20~30の使用しやすくて落としやすいものが肌には刺激が少ないと思いますが、弱めのものはやはり塗り直し、塗り重ねで対応したほうが良いと思います。
②擦らない。 ◆ダブル洗顔は刺激が強いように思えます。クレンジングの必要がなければしない。
化粧を落とそう落とそうと思っているとガシガシに擦ってしまうので注意です。
◆洗顔は手指が触れるか触れないか程度で、泡を転がして洗う感覚です。
◆お肌のお手入れ時も擦らない。コットンにしみこませた化粧品をぐいぐい・・・コットンでふき取るように擦る。これはとっても肌に負担をかけ、炎症を助長すると思います。やさしく手指で付けて、フェザータッチで伸ばすのみです。決して有効成分を擦り込もう!なんてしないでください。逆効果です。
◆タオルは押さえ拭きのみで、ゴシゴシ動かさない。喫茶店や打ちっぱなしでオジサマがおしぼりで御顔を拭かれますが、肌には厳禁ではないでしょうか。
◆横向きやうつ伏せで寝る方は枕で顔が擦られてないでしょうか。どうしようもないかもしれませんが、せめて枕カバーは柔らかい生地で。
◆風邪の季節、花粉症の季節、お仕事などで着用するマスク。マスクの上方の縁が頬骨に当って、しゃべったりすると擦れてしまいませんか。必要最低限の着用、柔らかい素材のものを選ぶなど気を付けてみるしかありません。
◆首の締まった服など、頭からかぶって着脱する服も、顔を擦るので、化粧をしているつもりで着脱して顔に当たらないようにした方が良いと思います。
③保湿 ◆スキンケア全般に絶対必要な保湿。皮膚表面のバリア機能を維持させ、外的刺激から保護する意味があります。上記②を含め、外的刺激をカットすることで、不要な炎症を起こさないようにします。
レーザーフェイシャルやフォトフェイシャルなど、光系の治療をされる前には上記の生活習慣を見直していただき、1か月ほど実践すると、肝斑が薄くなっていく方は多くおみえになられます。