院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2018.06.28
第33回日本医学脱毛学会に参加しました。初めて参加しましたが、看護師の参加者がとても多く、盛況でおどろきました。今回の内容を復習して備忘録にしておこうと思います。ちなみに上の動画はダイオードレーザーによる蓄熱式脱毛の施術中です。当院では導入していません。
最近こどもの脱毛需要が増加しています。理由の多くは多毛により友達からからかわれたりいじめの原因になるからというものです。中高生になれば、美容的観点が理由となるのですが、今回のテーマは小学生です。脱毛行為に対する恐怖心をいかに取ってあげて、痛くない脱毛を蓄熱式で行うということで共通していました。親御さんを交えていかに説明するかとういことも各院工夫しています。また、痛みのハードル以外にも、日焼け対策、短い施術時間、経済性についても考慮が必要です。
脱毛レーザーであるロングパルスアレキサンドライトレーザーは、アトピー性皮膚炎の痒みを改善させ、その結果、搔把行動が減り病変も改善していくということです。
アトピーの痒みのメカニズムがわかってきました。C線維という感覚神経が通常は表皮内まで侵入していないのですが、アトピーの皮膚では本来表皮にほとんど無いはずの神経成長因子(NGF)が発現して、C線維の表皮への侵入を促進してしまっています。また、本来表皮に多いはずの神経反発因子(sema3A)が減少し、C線維の表皮への侵入を抑制できなくなっています。そのため過敏になり掻痒から搔把行動になり、炎症と色素沈着が遷延します。
アトピーに保湿剤をよく使用しますが、保湿剤は表皮内のNGFを減らし、C線維を減少させ掻痒を減らします。また、光線療法はsema3Aを表皮内に増やし、C線維を減少させます。
ロングパルスアレキサンドライトレーザーも照射後に、表皮内まで侵入していたC線維が減少し、真皮まで退縮していることが示されています。また、表皮内のsema3Aも増加していることがわかっています。
当院でもアトピーの方こそ脱毛レーザーを行っていただきたいと考えています。
2018.03.26
2017.05.17
5/14東京国際フォーラムでキャンデラユーザーズミーティングが開催されました。当院ではキャンデラ社製ジェントルシリーズというレーザーで医療脱毛やレーザーフェイシャルを行っています。この会で医療脱毛について、復習したことを備忘録として、私見も含めて述べます。
レーザー機器を使った脱毛は医療機関でしか許可されていません。サロンでの脱毛は「美容ライト脱毛」と称する光脱毛ということになります。医療機関でないので、毛を発生させる毛乳頭・皮脂腺開口部・バルジ(幹細胞)を破壊する行為はできません。とういことは低出力の光を用いて減毛させることになります。クリニックでのレーザー脱毛も、正確には永久脱毛と言えないのかもしれませんが、永久脱毛の定義もはっきりしないので、長期的な減毛というのが正確です。メラニンの少ない産毛や白髪は難しいということですが、クリニックですので、上記の毛を発生させる器官を破壊する行為が可能なのは確かです。
リウマチなどで金製剤を投与されている方、金の糸が体内に留置されている方です。ニキビや湿疹については、やはり良くなることが多いので演者の先生と同様、当院でも積極的にお勧めしています。
毛嚢炎や紅斑は割と起こります。マイルドステロイド(ロコイド)+抗菌薬(アクアチム)などの外用で対処します。熱傷、色素沈着は時々経験します。テクニカルな問題では三日月型の色素沈着の場合、冷却不十分(これは照射角度や機械の不具合)が考えられます。過冷却による色素沈着も肌質により経験することですが、長引く傾向にあります。硬毛化については以下に述べます。
20~30歳代
色白
産毛が多く、毛の量も多い
毛穴が開き気味
好発部位(うなじ、肘上、背中、腰など)は数パーセントで起こりえます。逆に下肢ではどの先生も硬毛化の経験がないというのが不思議であり、このメカニズムの解明が待たれるところです。
硬毛化に対する照射プロトコールも出てまいりました。アレキサンドライトの連続照射法やYAGに切り替えることです。当院はロングパルスYAGレーザーも備えており、硬毛化の際には使用することがあります。
・基本に忠実。皮膚科学会は新薬が出ると治療ガイドラインをこまめに改定していますので、当院もこれにのっとって結果出しています。
・治療のゴールはニキビ跡の予防 ということはいかに新しいにきびを作らず、できたときに軽く済ませるかです。・赤ニキビを早く治す。・そしてmini-scar(0.5㎜~2㎜の小さいニキビ跡)を無くす。炎症性ざ瘡の8.2%がなってしまうとのことです。
・きれいにニキビ跡を治すためにも、自由診療は必要です。ピーリングやレーザー(ダイオードなど)です。
・抗生剤単独使用は避ける。 BPO併用など、必要です。
UVBにより、ケラチノサイトや線維芽細胞からET-1、エンドセリン、SCFなどのサイトカインがメラノサイトを活性化するメカニズムの話がありました。また、最近老人性色素斑においては表皮の処理では再発する例に対し、これは真皮の線維芽細胞からのサイトカインシグナルが原因との話はよく出てきます。
カテゴリ:美肌(小じわ・毛穴・にきび) 脱毛
2017.04.13
今年から当院では医療脱毛に力を入れています。サロンでの脱毛や、今や家庭用脱毛器などもあり、多くの人が光脱毛機に触れた経験がある時代になりました。同時に低コストで気軽なイメージを持つ方も多くなっています。しかし、脱毛や減毛できるということは、身体の皮膚という臓器に侵襲が加わるから起こる事象です。そこにはやけどや皮膚炎などのリスクを伴うということも理解しなければなりません。医師でない方がどこまでこのことを理解して、また有害事象発生時の対応について、医学的な問題や法律的な問題が問われることもあります。当院の患者さんの声を聴くと、
・一定の脱毛効果が得られるまで、施術回数が10回以上、もしくはほとんど効果がない
・安価なサロンで顧客が込み合い、次の施術ができない。
・やけどや硬毛化のリスクについて、説明がなされていない。
今年から、アメリカ、キャンデラ社製のロングパルスアレキサンドライトレーザーが、医療脱毛に対し厚生労働省からの承認を得ることができました。つまり、国はこのレーザーによる脱毛行為に一定の評価をし、皮膚レーザー治療が唯一可能な医療機関での脱毛を認めたということです。
当院ではこのロングパルスアレキサンドライトレーザーを使用した医療脱毛を行っています。レーザー治療器がボストンからクリニックに送られてきました。
すでにたくさんの方に評価を頂いております。
このキャンデラ社のジェントルシリーズというレーザーは国内の医療脱毛ではトップシェアの歴史ある実力派です。特殊なものではなく、多くのクリニックに導入されているものです。岐阜市内でも数件のクリニックで稼働しています。
・十分な知識と技術を持つ医師、看護師が、必ず医師の指示の下、施術します。
・完全個室で施術します。また、保険診療とは別のフロアーでゆったりと過ごしていただけます。
・医師より医療脱毛についての十分なインフォームドコンセントを行います。
・比較的、安価な価格で提供します。
・予約はなるべく希望の日にできるようにします。遅くとも数日以内で可能です。
当院は、ほかにもシミ、シワ、たるみ治療など、定評ある機器で治療を行います。お気軽にお問い合わせください。
2016.11.26
美容皮膚科におけるムダ毛の医療脱毛についてです。
1)効果が良い これは回数が少なくて済むということが一つ。ひげ脱毛、Iラインの脱毛などは、回数を重ねてもなかなか効果が出しにくい部位です。これらがきちんと処理できるかどうか。
2)痛みが少ない 施術の技術や機械の種類によっても変わります。また、機械の種類は、光・ダイオードレーザー・アレキサンドライトレーザー・YAGレーザーなど、波長の問題と、シングルパス(単発打ち)か、マルチパス(重ねうち、いわゆる蓄熱式脱毛と呼ばれます)かによっても変わります。
3)副作用が少ない 主な副作用・・・やけど、色素沈着、硬毛化、白髪化 です。これも機械の種類、体質、肌状態によって左右されます。
4)安価である
さて、ここからは施術者側が医療脱毛機に求めることも含まれています。
5)施術しやすくて一回の施術が速い これは施術者の技術もそうですが、何より、機械のスピードによります。
6)機械の業者さんの対応がよい 万一の故障時など、すぐに対応できなければなりません。
7)機械や消耗品、保守管理費用が抑えられている これは患者さんに対する料金に反映されてしまいますから、重要なことです。
写真は当院の医療脱毛スタッフ研修です。ルミナス社製のライトシェアという、ダイオードレーザー(シングルパス)です。とても良い器械で全国的に人気があります。良く抜けます。
スタイリッシュでかっこいい。スタッフ同士で照射トレーニングです。
「お~、良く焦げている!」
自分の足でもトレーニングしておきました!皮膚を吸引して照射するタイプです。他社に無い素晴らしい技術です。
岐阜市薮田南 形成外科・美容外科ぎふスキンケアクリニック 医療脱毛 レーザー脱毛 に関する投稿
カテゴリ:脱毛
2015.04.05
A 4回から6回程度必要です。
A 2か月に1回の施術で1年です。
A 両脇で2分~3分程度、両ひざ下でも20分程度です。
A 冷却ガスを使用し、皮膚を保護するので心配ありません。
A クリニックでしか扱えないレーザー脱毛機で施術をします。脱毛には火傷などのリスクがありますが、万が一のトラブルに対してのフォローもしっかりさせて頂きます。
A 前日にシェービングをお願いします。施術する1か月前から毛を抜かないようにして頂きます。
A 気になる場合は毛を抜かずに剃るのみでお願いします。
2014.09.29
カテゴリ:脱毛
2014.08.05
ムダ毛の脱毛は、エステやクリニックで光脱毛、レーザー脱毛という施術を行っています。
脱毛の原理を簡単に言うと、強い光やレーザー光を肌に照射すると、選択的にメラニン色素にその光が吸収され、それが熱エネルギーになって、メラニンを熱破壊します。(光熱溶解論)
毛はシミやホクロと同じようにメラニンの塊ですので、毛に光治療器の光や、レーザーが当たれば熱が発生し、その熱が毛に隣接する毛乳頭や毛隆起にも熱ダメージを与え、毛の発育を停止させるというものです。
一言でいうと、レーザーで毛を焼いて生えないようにするということなのですが、そこで疑問です。
なぜ皮膚表面は焼けないのでしょうか。
皮膚表面が焼けると、やけどです。これは望ましくない、レーザー脱毛の合併症ということになります。
やけどしないように脱毛できるように、次の2点が考えられています。
1)機器による冷却
脱毛レーザーにはいくつか種類がありますが、多くのものが、レーザーを照射するときに何らかの方法で表面を冷却するようにできています。機械の先端が冷たく冷えていて、直接当てて冷やしながら照射するものや、レーザーが放たれる直前に冷却ガスが噴出するものなどです。これにより、毛が焼けた時の熱が皮膚表面に波及しても温度上昇を抑えてやけどを防いでいます。
2)機器の設定
a.波長 レーザー光は波長が決まっております。波長の長さによってメラニンへの光エネルギーの吸収を少なくすることができます。(長めの波長を使用します)すると、皮膚表面でメラニンに吸収されにくく、より深くでメラニンに吸収されることになります。
ちなみに脱毛に使用するレーザーの種類ですが、アレキサンドライト(755nm)ダイオード(810)YAG(1064)です。これ以上短い波長は使用しません。
b.パルス幅 レーザーの光を瞬時に出す際に、光の出ている時間です。ピカって感じですが、実際時間を測るとナノ秒、ミリ秒です。
表皮を焼かずにメラニンとその周囲だけを焼くようにするには表皮、メラニン、毛包の熱の冷めやすさ違いを利用します。
どんな物質でも、冷めやすさは違います。組織にもその違いがあり、熱緩和時間と呼びます。
ロングパルスと呼ばれるパルス幅にすると、冷めにくい毛包は良く焼けますが、冷めやすい表皮は
熱がこもらず焼けにくい状況に持っていくことができます。
実際には3ミリ秒から100ミリ秒ぐらいで設定されていることが多いと思います。
c.熱量 つまりパワーです。パワーをあげると効果は上がりますが、やけどのリスクも増えます。
なかなかリスキーです。
最近は、弱めのパワーを重ねて照射することで目的の熱量を打ち込む、蓄熱式(複数照射式)と呼ばれるレーザーもあります。これにより、日焼けしてメラニンの量が多い状態、もともと色黒でメラニンが多い方でも比較的安全に照射可能ですし、目的の熱量まで照射する仕組みですので産毛や白髪などのメラニンの少ない毛でも効果があります。
このように、レーザーの特性を理解して、その人に合った施術を実践していくように、スタッフ一同努力すべきだと思います。
カテゴリ:脱毛