院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2020.01.24
新たな治療法といっても、当院で新しく始めるということです。私は流行りの治療があってもしばらく世間の反応や学術的な追跡を静観しています。効果が望めてリスクの少ないものであることがある程度わかってから取り入れています。
当院では、PRX-T33とPQageの2種類のピーリング剤を使用しています。詳細は近日中にHPにアップする予定ですが、他院のHPは大変詳しく解説してありますね。痛みは少しヒリヒリしてくる程度で、その場だけです。ダウンタイムはほぼないですが、リスクとしては軽度の皮むけや赤みが挙げられます。治療費は1回¥15,000です。
ご存じの方も多いですが、剣山を高速バイブレーターで肌に刺しています。針の長さは0.2~3㎜で部位と効果の期待値とダウンタイムのバランスで長さを調節します。表面麻酔クリームを使用し、痛みは少ないです。リスクは赤みや毛嚢炎、皮膚感染症などが挙げられます。治療費は部位にもよりますが小範囲で1回¥20,000~です。全顔で¥40,000です。
ダーマペン4とマッサージピールPRXの組み合わせです。灼熱感・・・ありますが、痛みに弱い私でも十分耐えられます。赤みやフロスティング(皮むけ)は少しありますが、日常生活に大きく影響する程ではないように思います。リスクは上記と同様です。治療費は全顔で1回¥50,000です。
日本で普及し始めたころから使っていますが、当院ではようやくの導入です。ヒアルロン酸や微量のボトックス、ビタミン、アミノ酸を複数の注射針から機械で自動的に一定量を皮内注射します。こちらも麻酔クリームで痛みは少ないです。また、当院の治療器には痛みを軽減する工夫も凝らされています。料金は部分で1回¥20,000~です。全顔で1回50,000円~です。注入する薬剤により、価格は変わります。
いずれの治療も岐阜医療圏(岐阜市・大垣市・各務ヶ原市・瑞穂市・本巣市・羽島市など)で治療できる医療機関は数少ないです。しかし、雑誌やメディアに多く紹介されている治療で、お問い合わせも大変多くなっており、ご要望にお応えできるように準備してお待ちしております。特に、ベルベットスキンは人気が高いですが、個人的な印象ではマッサージピール(PQエイジよりPRXかな?PQエイジも成長因子添加で良いのですよ)が好きです。
カテゴリ:たるみ・しわ 美肌(小じわ・毛穴・にきび) 院長ブログ
2018.06.28
先日、第22回MSCSに参加してまいりました。「たるみ」についての講演でしたが、興味深かったので、学んだことをまとめておきます。
皮膚の劣化する原因はもちろん加齢現象なのですが、その原因として活性酸素、紫外線が挙げられます。もちろん喫煙などは言うまでもありません。これに外力が加わるとたるんでいくということです。外力は表情筋の収縮と重力と言えます。また、脂肪や骨が萎縮し、老化顔貌へ変化します。
活性酸素はミトコンドリア内でのTCA回路でエネルギーを産生する際に発生します。活性酸素は通常の酸素より電子が足りない不安定な状況にあり、他の物質から電子や水素を奪い取り酸化させてしまいます。酸化した細胞はアポトーシスに陥り機能不全となります。紫外線は直接原子の結合を破壊し、たんぱく質を破壊してしまいます。
このようにして皮膚のコラーゲンやエラスチンが劣化し、弾力のない、伸びきったばねのような皮膚へ変化します。
さらにこの皮膚に外力である重力が加わると内容を支えきれずたるみが進行。また、表情筋の動きにより、引っ張られ、また折りたたまれると皺がどんどん増えていくということになります。
多くの患者様が、顔の筋トレを頑張っていると自信満々にお話されます。しかし美容外科医なら皆、「表情筋のトレーニングはシワを増やすためのトレーニングだ」と批判します。私はこれまで、以下のように話してまいりました。
表情筋を鍛えても、表情筋でたるむ脂肪を支えているわけでなく、脂肪の下垂は進行します。また、表情筋が伸びきるからたるむというわけでもありません。だから筋トレをしても無駄です。さらに、筋トレをするということは表情しわを作るということになります。劣化した皮膚に皮膚を折りたたむような表情筋トレーニングをすれば、その外力でしわが深く刻まれていくことになっていきます。
今回のお話ではさらに、筋トレの三大原理から否定的な意見をまとめられました。
・特異性の原理・・・トレーニングした筋だけに効果がある。
・可逆性の原理・・・トレーニングをやめると元に戻る。
・過負荷の原理・・・十分な負荷を与えないと効果はない。
ということは表情筋を鍛えるには、鍛えている表情筋を意識してトレーニングをすべきで、常にやり続けないといけなくて、過負荷をかけるようなトレーニング内容にしなければならないということです。こんなことできるのでしょうか・・・。皮筋である表情筋に過負荷なんて簡単にかけられません。
カテゴリ:アンチエイジング たるみ・しわ ボトックス‐表情しわ 院長ブログ
2016.05.17
クリニックで明日からの臨床に生きる講演をたくさん聞くことができました。また、以前からお世話になっている恩師の先生や医療コンサルタントさん、医療機器メーカーの方などと有意義なお話をすることができています。1日目の受講した内容で、今後の私の臨床に生かしたい内容を備忘録としてまとめておきます。
いろいろな糸をコンビネーションで使用。バーブやコグのついたものは引上げ効果を、ショートスレッドは異物反応による引き締め効果を、またこれらを交差してコンビネーションとすることで面で支えるイメージで仕上げられるとのことです。コグ付きのショッピングスレッドシェイプを一次固定部である側頭部皮下から耳前部皮下に3本(infra temporal septumを貫通させて)、distalから挿入留置。この耳前部を準固定点として、次にjawl方向から3本挿入、次にmidcheekからfatpadを引き上げるように3本、これはコの字ではないコグリフトを挿入。挿入時はシリンジを付けて挿入しており、入れ易そうです。これらの糸を置く前に、刺入点となる9点に、ショートスレッドを挿入し、抜くときに0.5%の局所麻酔を注入しながら抜きます。1本あたり0.5㏄程度注入することで、コグリフトの挿入時疼痛は無いようです。これらの9本の糸に垂直方向にショートスレッドを挿入して面を作っておく感じでデザインしていました。malar archは骨膜上にtemporal brがあるので、擦らないように常に皮下浅層で挿入。
スレッドリフトは1~2年の持続で繰り返し行うものである認識をICすべきであることも近年は皆そのような考え方と思います。
東洋医学の治療法の一つです。東洋医学には他にも漢方薬や気功などがあります。日本の医師は西洋医学も東洋医学も診療が可能です。他国の針灸より、丁寧で繊細で衛生的なので世界からの評価も高いと伺いました。効果はたるみ、小じわ、くすみ、くま、むくみなどで作用機序としては経絡の刺激と創傷治癒の理論とのこと。多くて顔面に100本程度、実演を拝見しました。
動脈内に注入した場合、それが末梢なら当然その末梢が障害をきたすし、中枢側で誤注したら、広範に障害をきたします。しかし、末梢に誤注してもその注入圧が動脈圧より高ければ、ヒアルロン酸が逆行性に中枢の枝まで移行して、注入を止めた時に後半にembolizationをきたす、その実験を見ました。また、目周囲は眼角動脈や眼窩上動脈、滑車上動脈など内頚系では眼動脈に塞栓を起こすリスクがあるのは理解できますが、法令線などの外頚系の顔面動脈に誤注しても失明するケースがあるとのこと。これは交通枝の存在によるものだそうです。各注入部位における解剖上の注意点がありましたが、tear troghuは骨膜上は安全なレイヤーで法令線は皮下深層に顔面動脈がbranchを出すので2ミリ程度の皮下浅層が安全のようです。また、カニューラを使用しても誤注のケースは報告されているの、カニューラを使用するなら太いものが安全。
口輪筋や眼輪筋部に近いところより、SMASが面としてしっかりしている外側で照射すベきとのお話でした。フェイスリフトでSMAS上でregamentの切離とSMASのplicationを行うのが長期的にリフト効果が維持しやすい。照射の角度はラインの方向に一番収縮効果があるので、引上げ方向に当てるべき即ち上外側方向と耳前頬では上方向で照射、こめかみの上外側、前頭部は上方向です。madiburar marginal brは注意して。照射は2.0J、また、皮膚皮下の厚みによって、厚めのだと、4.5㎜Cカートリッジを少し強く押し当てることでSMASに当たるし、薄い人は3.0㎜Bカートリッジを強く当てることでSMASに当てるのもテクニックとのことです。ジェルは不使用で、保冷材で冷却しながらの施術が痛みの軽減につながるようです。
カテゴリ:たるみ・しわ
2015.09.29
・クマが目立つ
・皮膚のたるみ
・笑い皺や縮緬皺
・クマの下の深い溝
・目袋の突出
・涙袋の縮小
などなど、たくさん挙げられるのですが、ヒアルロン酸注入ではこれらの症状のいくつかは改善することが可能です。
・クマの下の溝に直接注入することは後で述べるリスクがあるのですが、この溝のすぐ下(眼窩下縁)に注入することで、目元のたるみ感を軽減したり、頬がリフトアップした感じを出すことができます。また目袋の突出も幾分ごまかすことが可能です。
・細かいシワには非架橋ヒアルロン酸やコラーゲンを注入することでハリを出したりシワを浅くしたりできます。
・ふっくらした涙袋は若々しくかわいらしい印象を出すことができます。こちらも少し粘度の高いヒアルロン酸で形成することがでるのは、昨今の芸能人などで有名な話ですね。
目元に限らないものもあるのですが、以下のようなトラブルが考えられます。
・ヒアルロン酸の過注入
とくに涙袋で注入量が多すぎ、すなわち過注入しますと、不自然に下垂してきて目袋が大きくなったように見えます。目袋が大きくなるということは、とても老けた印象を醸し出します。
・ヒアルロン酸の過少注入
これは単純に注入量が少なくて効果が物足りないということです。これは再注入するだけのことですから大きな問題ではありません。
・ヒアルロン酸のアレルギー
まれですが何千人に一人ぐらいは赤くはれたりするアレルギー反応が生じることがあります。
・ヒアルロン酸が透けて青く見える
目元の皮膚は体のなかで皮膚が最も薄い部分です。ヒアルロン酸の注入層は、涙袋は眼輪筋内ですが、目袋の下の深いシワは骨膜上といって比較的深めに注入することが多いです。しかし皮膚のすぐ下という極めて浅い層に比較的固いヒアルロン酸を注入してしまうと、青く透けて見えることがあります。チンダル現象と言われています。
トラブルへの対応としては注入されたヒアルロン酸を溶かす薬剤「ヒアルロニダーゼ」を同じ部位に注入することです。当院ではヒアラーゼ1500単位を1㏄の生理食塩水で溶解し、気になる目元へ0.1㏄程度注入しています。注入後よりすぐに融解が始まり、数日で落ち着きます。
岐阜市薮田南 形成外科・美容外科・美容皮膚科 ぎふスキンケアクリニック ヒアルロン酸注入・ヒアルロン酸を溶かす注射(ヒアルロニダーゼ)・目元のしわ などに関する投稿
2015.07.03
本稿はたるみを引き上げる治療についてです。ヒアルロン酸注入やボトックス注射、脂肪注入などをコンビネーションで行うことも効果的です。今回は主に、糸で引き上げるリフトアップ手術の中でも切らないものを2つご紹介します。
顔のたるみといっても、各部位によって、治療法が存在します。
・おでこや眉毛→前額リフト
・上まぶた→ブローリフト、上眼瞼リフト、上眼瞼除皺術、眼瞼下垂手術
・目元→下眼瞼形成術、下眼瞼脱脂術、こめかみリフト
・頬→ミッドフェイスリフト、フェイスリフト
・鼻下→上口唇短縮術
・フェイスラインや首→フェイスリフト、ネックリフト
上記は切る手術です。当院が力を入れている機器を使用したリフトアップはどの部位でも対応できます。
手術はとても効果的ですが、術後の腫れや痛みなどのダウンタイムが問題となりますし、傷痕も残ります。機器を使用する方法ではそういった問題はありませんが、よく言うと自然なリフトアップ、悪く言うと効果が物足りないということになります。さて、この両者の中間的な治療法として、糸によるリフトアップが挙げられます。なかでも、コグと呼ばれるトゲのついた糸を皮膚の中に埋め込み、裏側からたるんだ皮膚を引き上げたり引き締めたりします。適応部位はまぶた、鼻下以外にあると考えておいてください。
特にフェイスラインを引き上げるのに効果的なのがミントリフトです。針だけで糸を皮膚のなかに埋め込み、側頭部(髪の毛の中)の深側頭筋膜に引っかかるように糸を通し、皮膚と皮下組織を引き上げた状態で保ちます。局所麻酔で可能です。
・切らずに確実に効果的にフェイスラインをシャープにできます。
・糸は吸収糸ですから長期的に異物を体内に残しません。
・短期的に異物反応による皮膚・皮下の再構築(コラーゲン増生など)され、肌のハリをupさせます。また、今後進行するたるみを予防します。
・頬には針穴ができます。数日でわからなくなります。
・術後1週間程度は皮膚に凹凸ができることがありますが、次第になじみます。
・引き上げた皮膚を支えている側頭部に術後1週間程度痛みがあります。
・効果は永久でなく、単独では1年から数年で物足りなくなります。
・持ち上がった皮膚は目尻の高さで溜まり頬の横が高く感じます。次第になじんでしまいますが、皮膚のたるみが多い方はしばらくの間バランスが悪く感じます。
フェースラインのみでなく、頬(中顔面や法令線)を引き上げたいという希望も多いです。ミントリフトでは主にフェースラインの改善で、頬部は効果的ではありません。そこで、スプリングアプトスやシルエットリフトという、同様に引っ掛かりのついた糸で引き上げるリフト法がありますが、この施術は側頭部を1センチほど小切開しなければなりません。そこで、最近切らずに効果的なリフト力のある糸として、コグリフトが注目されております。コグリフトは引っかかりが双方向についており、どこか一か所で支えるというよりも、糸を挿入した範囲の皮膚と皮膚で引き合いながら持ち上げるイメージです。こめかみから挿入して、法令線近くまで挿入します。片側5本程度入れると効果的と思います。
約10㎝のカニューラとなっています。内部にコグと呼ばれる引っ掛かりがついてた糸が仕込まれており、これを皮膚の中に差し込んで抜くと皮膚の下に糸だけが残存、留置されることになります。
肉眼でも糸にコグがついているのがわかります。こんな小さい引っ掛かりでも組織を引っ張ることができます。
ダーモスコープで拡大するとコグの形状がよくわかります。コグの向きは双方向となっており、組織と組織を引き寄せあってリフトアップさせます。
・切らずに、自然な頬のリフトアップが可能です。痛みもほとんどありません。
・糸は吸収糸ですから長期的に異物を体内に残しません。
・短期的に異物反応による皮膚・皮下の再構築(コラーゲン増生など)され、肌のハリをupさせます。また、今後進行するたるみを予防します。
・どこかにひっかけて引っ張り上げる施術ではないので、過度な効果は期待しません。自然な持ち上がりであるとご理解ください。
上記の糸を両方同時に挿入することもよく行っています。それでも内出血が少なければダウンタイムは短く、直後に買い物などに行ってもわからないぐらいです。痛みが心配だが、少しでもたるみを軽減したい方はコグリフトをたくさん挿入するのが良いと思います。
カテゴリ:スレッドリフト・フェイスリフト たるみ・しわ 院長ブログ
2015.04.05
A 目の下のくぼみやクマ、ほうれい線、マリオネット線、ゴルゴ線などです。
A 半年から1年かけて自然に体内に吸収されます。
A 内出血を起こす可能性があります。内出血は1週間~2週間前後で無くなります。コンシーラーやファンデーションでカバーできます。腫れと痛みは数日で治まります。
A注射する時間は5~10分程度です。
A痛みは通常の注射程度の感覚と、注入中に多少の違和感がある程度です。痛みの軽減のために冷却してから施術いたします。痛みが心配な方には表面麻酔もご用意しております。
A 当日は、長時間の入浴、運動、アルコールは控えていただきます。
A 注射後は3~4時間後はお化粧を控えていただきます。パウダリーファンデーションでお化粧をしていただくようにお願いします。
2014.09.24
たるみの治療といっても、いろいろありますが、最近の主流は切らないフェイスリフトと呼ばれるものです。機械を顔にあてて、たるみを軽減していく施術です。
ウルセラが代表機種です。写真はウルトラセルです。
超音波のエネルギーを皮膚より深い筋膜に与えます。
苦痛の少ない程度のパワーで行いますが、痛い方が効果的なのだと思います。
実際の感覚は、ピピピピピッと皮膚の奥に衝撃がズンッとくる感じです。頬はその程度良いのですが、下あごの骨の付近は痛みが増してきます。ズンッとくる感じですが、それが骨に響いてい痛くなるような感覚です。
また、下あごの骨の下も痛いです。顎下腺あたりでしょうか、ここに直接強い衝撃が与えれている感覚です。
また、おでこの生え際もビリッと痛みがあります。
痛いといっても、効いてるなーという感じで、耐えられないことはありません。また、耐えがたい痛みならばパワーを落として、リラックス、もしくは会話をしながらでも施術できるようにしています。
サーマクールが代表機種です。高周波エネルギーを皮膚の中の真皮に与えます。HIFUより浅い層ということです。
サーマークールというと、飛び上がるぐらい痛いという方がいます。これは初期のもので、当時は良く全身麻酔(軽く鎮静する)でポワッと300発ぐらいやっていました。現在はサーマクールCPTで比較的楽に施術できます。
写真のウルトラセルではGFRという高周波治療が可能です。痛みの軽減のため、パワーを抑えたショットを瞬時に2回照射する方式で、痛み無く、同じエネルギーを与えられるように工夫されています。
実際はほんのり熱いという感じだけです。しかし、顔の輪郭、特に耳の前あたりになると熱っ!て感じです。
ショートスレッドなどの針系の施術も、輪郭周囲は痛いと言われます。
RFも苦痛がない程度にパワーを考慮して行いますので、恐れることはありません。
2014.09.11
顔のたるみと言っても、さまざまのところに症状が出ます。今回、お話するたるみを引っ張り上げて止めておく糸によるリフトアップ手術は、頬、法令線、フェイスライン、マリオネットラインといった、しわ、たるみを対象にしています。
糸の製品はたいへん沢山ありますが、最近よく使用しているのは、シルエットリフト、スプリングアプトス、ミントリフトといったところですが、挿入部位と挿入方向を考えて引き上げることに違いはありません。しかし、引き上げ効果、効果の持続力は違いがあると思いますので、カウンセリングでよく相談すべきと思います。
方法ですが、頬の中に釣り針のような引っ掛かり(コーンと呼ばれるものや、コグ、棘と呼ばれるものがあります)がいくつも付いた長い糸を挿入し、こめかみの方向に引き上げ、頭髪内の側頭部の筋膜などに固定しておくというものです。
少し切開するものもあれば、ほとんど切らずに挿入できるものもあります。いずれも、局所麻酔で1時間ほどでできてしまう、切らないフェイスリフトといえるものです。
効果ですが、手術直後は気になる頬前面のたるみ、フェイスラインのたるみがとてもよく引きあがっているのがわかります。
1週間もするとなじんで、ちょうど良い感じといわれることが多いです。
問題は、効果の持続力です。人によっては1か月経つと、「もっと引きあがると思っていた」「物足りない」と過少に思う方もおられます。また、1~2年経つと元の状態に戻っている感じ否めないというのが正直なところです。
しかし、皮下に異物を挿入したことにより、そこで異物反応がおこり、コラーゲン造成が活発な状況になっています。その効果があって、引き締まった感じや、頬のハリ感などが、長期に持続するといったケースもよく見られています。
不可逆的なリスクは少ないと思いますが、固定部である側頭部には小さな傷を作っていますので、その傷跡、脱毛はあります。
術後のこめかみの痛みや、皮膚表面のひきつれ、くぼみなどは、時間がたてばほとんど改善するものと思います。
先に述べたように、効果の持続の面で、せっかく思い切って糸を入れたに、早期に後戻りするといったことが問題になります。
効果を持続させるためには、引き上げられた余剰皮膚も一緒に切除したほうがよいとも言われます。また、皮膚切除はしなくても、側頭部の傷から広く皮下を剥離して、引上げにくいこめかみから頬の上部を広範に剥離しておいて、より強く引きあがるように工夫したりします。
つまり、侵襲的な方法を併用して用いるべきリフトなのだという傾向になってきました。
患者さんは低侵襲な治療をもとめて糸によるつり上げを希望しているので、手術の併用はその希望とは違うことになります。
効果の持続は弱いが、糸だけでやりたいと言われたらそれもよいと思いますし、それならやらないというのも良いと思います。
逆にリフト手術を希望されている方は、さらにこの糸のリフトを併用することによって、手術と違うベクトルでの引上げとその補助手術も受け入れてく頂けると思いますし、選択の幅は広がると思います。
また、手術を併用しなくとも、ショートスレッドと呼ばれる糸リフトや、RF(高周波)、HIFU(超音波)といった低侵襲なたるみ治療を併用しておくのも方法です。(まだ、どのぐらいの効果が出るかの検証ははっきりとありません)
こういった施術の特徴を十分お話しして患者さん自身が判断して、決めていくことが大切です。
カテゴリ:スレッドリフト・フェイスリフト たるみ・しわ
2014.09.06
ショートスレッドリフトと呼ばれる、施術があります。数年ほど前から、韓国で大変人気になった施術メニューです。適応はたるみや肌のハリということになっています。私は経験ないのですが、バストやヒップのたるみにも施術しているクリニックもありますが、主には顔や首です。
呼び名はショッピング感覚?だとか、ショッピングの帰りに・・・、などの理由で付いたようです。ショッピングリフトと同様にリードファインリフトともよばれます。
長さ2~4㎝(折り返して)で髪の毛ほどの生体吸収糸を皮膚・皮下に何十本と挿入するという施術です。細い注射針に糸がセットされており、この針を突き刺して抜くだけで、糸だけが体内に残るようになっています。気になるフェースラインや、法令線などを中心に片側で20~50本ぐらいが平均的な本数と思います。
このように、ただ皮膚の下に糸を残すだけです。吸収されて無くなるのに10か月程度かかり、その間、皮膚、皮下に異物反応を起こさせ、その時に集まってきた細胞が、コラーゲンを増生させるよう、指令を出します。つまり、皮膚、皮下にコラーゲンを増やし、皮膚をタイトニングさせるということです。
したがって、何かにひっかけて吊り上げるわけではありません。(浮遊型、フローティングタイプと呼びます)
糸は交差するように挿入し、挿入も皮膚を引き上げた状態で行うので、直後には組織が支えられている感じがあるという先生もおられます。
また、リフトという名前がついているので、引上げ効果を期待しがちですが、そこまでの効果を感じられる方は少ないと思います。あくまで引き締め効果、肌質の改善です。
実際はフェースラインがすっきりした、小顔になった、頬の高まりがはっきりした、などと効果があります。
安全性について思うことなのですが、基本的に皮下までの侵襲ですから、顔面の機能的・整容的な後遺症は考えにくいと思います。したがって、安全性は高い施術ですと、患者さんに伝えています。
もちろん、皮下出血や腫れ、施術中の痛みなどは高率に起こりますが、これらは原則的には必ず治ります。
説明しておかないとトラブルになるようなリスクに関しては以下に挙げられます。
a)感染・・・
刺し口がニキビのように赤くなり、これが通常のニキビと違って2~3週しても変化しない、もしくは悪化する、などの症状です。
早めに受診していただければ、そのニキビ様の炎症の下に糸が見えていることが多いので、除去するだけで治っていきます。
しかし、悪化すると良くありません。皮膚の浅くに糸が入っていますので、糸に沿って赤味が広がっていきます。一部の皮膚が感染により自潰して、潰瘍になると、瘢痕(きずあと)がのこり、また、炎症後色素沈着というシミが、数か月残存することになります。
b)異常感覚・・・
これは一時的ですが、2か月近く続く方がみえます。ちくちく刺されている感覚が、残っていると言われます。
c)刺し口の盛り上がり・・・
これも一時的ですが、2~3か月続く方がみえます。特に笑ったりして表情を作ると、うっすら盛り上がってプクプクと刺し口がわかります。おそらく、中の糸が皮膚を押して盛り上がっていみえるのだと思います。
安全な施術と思うのですが、その分効果はマイルドですから、過度な期待は良くないです。安全といっても、感染に関しては、まれですがあり得ます。そしてさらに稀ですが、跡が残るリスクもあり得るので、よく考えてから施術を受けていただきたいです。
カテゴリ:スレッドリフト・フェイスリフト たるみ・しわ
2014.07.27
たるみといっても顔の各部位にたるみが生じ、気になる症状は様々です。またそれにより治療方法も変わってきます。
たるみと訴える方は、目元、頬、フェイスラインの下垂症状のことが多いです。
手術でたるみを取ることが最も効率が良いのですが、何と言っても機器で切らずに、ばれずに、少しずつというのが人気です。
私は目元や頬などは、比較的傷あとが目立たず、効果的に治療可能なので手術が好きなのですが、人はそれぞれ生活がありますし、何より切るのは怖いと思います。
機器を顔に当て、たるみを改善する施術でトレンドの一つをご紹介します。
✴︎高周波治療 RF(アールエフ)
商品名でサーマクールという機器が代表格ですが、似たようなものがたくさんあります。
高周波という電磁波を一種を照射し、真皮に熱損傷を与えるものです。損傷した瞬間にその部位は引き締まります。そして熱の刺激が新たにコラーゲンを作らせ、長期的に引き締まった肌を維持させるものです。
✴︎超音波治療 HIFU(ハイフ)
ここ最近急速に広がっている印象の治療です。超音波はよく健診などでも腹部や心臓、胎児を観察する画像検査として知られています。この超音波という音の波長を収束させ、皮膚の下にある筋膜層(SMAS)に熱損傷を与える治療です。たるみの手術でフェイスリフトという手術がありますが、その手術で引き上げるのはこの筋膜層であり、HIFUでは熱損傷で筋膜を収縮変化させることで引き上げさせ(イメージを例えると・・・お肉を焼くと縮まります)さらにその修復機転でコラーゲンを造成、リモデリング(再構築)させて長期的に効果を維持させます。商品名でウルセラが代表的ですが、こちらもいろいろな機器が、それぞれ特徴を持って作られています。
たるみ治療として挙げられている機器には、他にも近赤外線治療器や、光治療器、レーザー治療器がありますが、いずれも真皮の引き締め作用が目的です。HIFUはさらに深く作用し、引き上げ作用があると言えます。
理想的には、これらのコンビネーションで治療するのが最も効果が出ます。単独治療でも、これまで成績を上げてきてはいますが、真皮・皮下脂肪・SMAS筋膜層といった様々な深さに同時に作用させるのが、今後主流になると思います。そして切らないフェイスリフトと言われるHIFUはたるみ治療の主役になるものと思います。
RFとHIFU、照射間隔は機器やクリニックによって随分差がありますが、何回か続けてみるのが効果的です。
RFは1ヶ月から6ヶ月間隔、HIFUは3ヶ月から1年といった感じです。
コースとしては、まず初回、同時照射を行い、次はRFを単独で適宜追加照射、次にまた同時照射といった感じで施行されてはいかがでしょうか。