院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2018.06.28
先日、第22回MSCSに参加してまいりました。「たるみ」についての講演でしたが、興味深かったので、学んだことをまとめておきます。
皮膚の劣化する原因はもちろん加齢現象なのですが、その原因として活性酸素、紫外線が挙げられます。もちろん喫煙などは言うまでもありません。これに外力が加わるとたるんでいくということです。外力は表情筋の収縮と重力と言えます。また、脂肪や骨が萎縮し、老化顔貌へ変化します。
活性酸素はミトコンドリア内でのTCA回路でエネルギーを産生する際に発生します。活性酸素は通常の酸素より電子が足りない不安定な状況にあり、他の物質から電子や水素を奪い取り酸化させてしまいます。酸化した細胞はアポトーシスに陥り機能不全となります。紫外線は直接原子の結合を破壊し、たんぱく質を破壊してしまいます。
このようにして皮膚のコラーゲンやエラスチンが劣化し、弾力のない、伸びきったばねのような皮膚へ変化します。
さらにこの皮膚に外力である重力が加わると内容を支えきれずたるみが進行。また、表情筋の動きにより、引っ張られ、また折りたたまれると皺がどんどん増えていくということになります。
多くの患者様が、顔の筋トレを頑張っていると自信満々にお話されます。しかし美容外科医なら皆、「表情筋のトレーニングはシワを増やすためのトレーニングだ」と批判します。私はこれまで、以下のように話してまいりました。
表情筋を鍛えても、表情筋でたるむ脂肪を支えているわけでなく、脂肪の下垂は進行します。また、表情筋が伸びきるからたるむというわけでもありません。だから筋トレをしても無駄です。さらに、筋トレをするということは表情しわを作るということになります。劣化した皮膚に皮膚を折りたたむような表情筋トレーニングをすれば、その外力でしわが深く刻まれていくことになっていきます。
今回のお話ではさらに、筋トレの三大原理から否定的な意見をまとめられました。
・特異性の原理・・・トレーニングした筋だけに効果がある。
・可逆性の原理・・・トレーニングをやめると元に戻る。
・過負荷の原理・・・十分な負荷を与えないと効果はない。
ということは表情筋を鍛えるには、鍛えている表情筋を意識してトレーニングをすべきで、常にやり続けないといけなくて、過負荷をかけるようなトレーニング内容にしなければならないということです。こんなことできるのでしょうか・・・。皮筋である表情筋に過負荷なんて簡単にかけられません。
カテゴリ:アンチエイジング たるみ・しわ ボトックス‐表情しわ 院長ブログ