院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2016.11.30
大阪の大腸肛門専門クリニックの佐々木先生の講演を拝聴いたしました。とてもお話がわかりやすく、自分の知識の幅が広がりました。おしりと美容の話です。
毎日便通があると、健康的に思えるかもしれませんが、痔患者の8割は毎日便通がある人だそうです。これはどういうことかというと、便秘には、
1)便の製造と運搬を行う大腸の弛緩やけいれんによる便秘(おなかの便秘)と、
2)出口に便が来ているにもかかわらず排泄できない便秘(おしりの便秘、直腸性便秘)
があります。問題は後者の2)の便秘です。この場合、何日も排便がないというわけでなく、毎日排便しているが、直腸から出し切れていない、つまり前の日の便が残ってしまって、次の排便時にはこの古い便を出してから続いてその日に製造された新しい便を出すということです。
本来直腸は常にからっぽで、便が製造されて直腸に来たとき、便意を催してすべてを出し切る、というのが正常です。しかし、ここに溜まってしまっているおしりの便秘とは、直腸に便が来ても便意が弱い、感じない、排便反射が弱い、排便しても排泄力が低下しているなどが理由で、その日の便が残ってしまう状態です。
直腸に停滞する残便は、肛門の静脈のうっ血を助長し痔核(いぼ痔)の原因になります。また、排泄時にこの硬くなった残便により粘膜が傷ついて裂肛(切れ痔)になります。
残便の便中成分である、インドールやスカトールは便臭の元ですが、これらが粘膜から吸収されて口臭の原因になります。そして、ニキビや肌荒れにもつながると言われています。
さて、この残便が停滞する直腸性便秘(おしりの便秘)の原因は、「がまん」と言われます。がまんを習慣にすると、便意が弱くなり、排泄力が低下していきます。
いつも残便から排出されるので、便の出始めが硬く、続いてその日に作られたばかりの柔らかい便が出るという排便になります。毎日排便があっても、残便が生じるようでは隠れ便秘であり、痔疾患の8割は毎日排便しているが、残便のある人ということになります。
おなかの便秘でない場合は正常に便が作られているわけですから、残便による便秘の時に下剤を使用すると、下痢になります。
残便で裂肛になり、その後下痢便が通過します。そしてその下痢便も残便になり、裂肛部にとどまります。傷を汚染して感染することもあります。それが続くと肛門狭窄にもなりかねません。直腸性の便秘にはレシカルボン座薬や浣腸が適しています。間違ってもアントラキノン系と呼ばれる下剤を乱用してはいけません。
センノサイドを代表とする大腸刺激性の下剤です。この下剤の問題点は長期にわたって使用すると腸管メラノーシス(リポフスチンにより、腸の壁が真っ黒に色素沈着します。)を生じます。3か月程度で発症します。また、依存性のある下剤であり、下剤がないと排便できない、肛門狭窄を起こせば下痢でないと排便できない状況になる可能性もあります。乱用や漫然投与は注意です。
アントラキノン系はセンナ、アロエ、カスカラ、サグラダ、ダイオウなどです。センナには熱帯に自生するマメ科の植物でカッシア・アラタ(ゴールデンキャンドル、キャンドルブッシュ)などが含まれます。
センナの果実・葉は医薬品として扱われるので、食品である健康茶などに含まれてはいけないようです。しかし、ダイエット効果をうたっている健康茶などに含まれていることがあり、注意が必要です。 センナ、アロエなどアントラキノン系が含まれており、ダイエット効果、お通じの改善満足度99%。これは下剤という、薬剤の効果なのです。腸管メラノーシスや依存性のリスクがあるのではと考えられます。
おなかの便秘にはアントラキノン系ではなく、よく腸の検査で前処置に使用するラキソベロンやジェネリックのピコスルファートナトリウム錠が、依存性もなく妊婦にも使用できます。おしりの便秘ではレシカルボン座薬(直腸でガスを産生し、刺激します)、浣腸が安心して使用できます。
このような言葉が正式に認められています。シャワートイレの害です。
・洗浄のしすぎで、肌荒れし、かゆみや不快感、びらんの原因になります。
・衛生上の問題です。相当汚染しています。ビデなど使用すると、膣炎や膀胱炎になることも。また、ヘルペスやコンジローマなどの性感染症をうつされることもあります。
・がまんしない
・シャワートイレを使用しない
・洗いすぎない、乾かしすぎない
・トイレは5分以内
・2時間以上同じ姿勢を取らない
・飲酒は3日おきに
最後にフロアからVIO脱毛について問題は無いか質問がありましたが、においが気になるようになったという人がいるようです。