院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2024.12.24
ようやく重い腰が上がりました。これには様々理由があるのですが、簡単に申しますと従来のQスイッチレーザーより優れていることもあるが、そうでないこともある。Qスイッチレーザー(当院は2機種)で基本、事足りる。医院経営上、コストパフォーマンスのバランスについての不安などなど。
しかし、シミ治療、刺青除去については、ピコレーザーの方が優れている点が一つでもあるなら、当院の色素性疾患治療の質を高めるために、必要なのだろうと感じておりました。
ピコセカンドレーザーやピコレーザーと呼ばれ同じ意味です。ピコ秒単位の短い時間のみ発せられるレーザー光により、色素を破壊するレーザー治療器です。従来、ナノ秒単位で発光するQスイッチレーザーが主流でしたが、近年、ピコレーザーがシェアを拡大しています。Qスイッチレーザーより副作用(炎症後色素沈着や色素脱失)のリスクが少なく、大きなスポットサイズと10Hzの早い照射スピードが特徴で、症状やご希望により、様々な照射方法を使い分けます。
メカニズムについてですが、従来のQスイッチレーザーが光エネルギーを熱に変化させて色素を破壊させるのに対し、ピコレーザーは光エネルギーが音響エネルギー(衝撃波)に変化させて破壊するという違いがあります。Qスイッチは色素をバラバラにするイメージです、ピコレーザーは粉々にできるというイメージになります。
PicoWayは以下の良性色素性疾患について、厚生労働省薬事承認を取得しています。老人性色素斑、雀卵斑、太田母斑、異所性蒙古斑、扁平母斑、刺青など。また、太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性刺青は保険収載され保険算定が可能です。
しみ(老人性色素斑、そばかす、ADM、肝斑)
刺青(入れ墨、タトゥ、アートメイク、ケガによる刺青)の除去希望
くすみ 毛穴 小じわ ハリのなさ ニキビ跡などの、美肌目的、肌質改善
ピコスポット
しみなどの病変をピンポイントで照射し、1回~数回の治療で効果を得るものです。PicoWayではYAGの他に、730nmという波長を使うことが出来ます。高いメラニン選択性を生かした治療が可能です。
ピコトーニング
ピコレーザーを低~中出力で繰り返し照射し、徐々にメラニン色素を破壊することでダウンタイムを抑えて色調の改善、肌質の改善を目指す治療です。ピコトーニングには1064nmを使用して、従来のQスイッチレーザートーニングと同様の目的で使用するほか、730nmを使用して、従来のQスイッチレーザーポレーションに近いトーニングも可能です。これら2種類のトーニングを同時に行う、ダブルピコトーニングはお勧めの治療です。
ピコフラクショナル
1064nmピコレーザーをフラクショナル状に照射し、肌質の改善を目的とするものです。ピコだからピークパワーが高いこと。1064nmだから表皮が保たれダウンタイムが少ないこと、フラクショナルだからダウンタイムが少なく回復することが特徴です。従来の炭酸ガスレーザーによるフラクショナル照射と比較すると、皮膚を表皮から損傷する点が大きく違います。
532nmピコレーザーによるフラクショナルもあります。こちらはハリのなさや毛穴の開大などの肌質改善効果もあるのですが、1064nmに比べると、表在性のしみ・くすみに対して効果が強いです。強い痂皮化(かさぶた)になることなく数回の治療で色調の改善が得られるものです。
ピコダブルとは、ピコスポットとピコトーニングを組み合わせた治療。
ピコトリプルとは、さらにピコフラクショナルも組み合わせた治療のこと示しているようです。