院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2015.08.25
美容目的で顔に当てて転がすローラーを一度は使ったことがあると思います。いわゆるコロコロです。これらはローラーを転がすことで皮膚の血流やリンパ流を良くする効果があると言われております。長年にわたって続けることでアンチエイジング効果があるのかもしれません。また素材を工夫して作られるようですが、医学的根拠は聞いたことがありません。
私の持っているローラーはエンビロンのコロコロです。
従来のコロコロと違うことは、ローラーの表面に0.2㎜長の針(突起)が配列されていることです。つまりこれを転がすと少しチクチクするわけです。
写真ではわかりにくいですが、肉眼でもはっきりわかる突起です。指でなでると引っかかります。
下の写真はダーモスコープロールの表面を拡大しています。突起がよくわかります。
通常のエンビロンホームケアは洗顔→トーナー→保湿ですが、ロールキットはトーナー塗布後に使用しその後保湿するという順序でしようします。
上図のごとくロールキットを転がすと無数の微細な孔「マイクロチャネル」が角質に開くことで保湿剤に含まれる有効成分(ビタミンA)が100倍浸透するという理論です。0.2㎜の針は肌の弾力を無視すると表皮有棘層に当たるぐらいかと思います。バリア機能に何らかの影響を与える可能性はあるかと考えられます。
エンビロンスキンケアシステムでホームケアを開始すると、少しずつビタミンAの濃度を上げていきます。そのたびにどんどん肌状態が改善していくのを感じます。しかし、ビタミンA濃度がマックスで使用していると、更なる美肌効果を出すのが難しく、良くなった現状を維持していくこと(それでも一般的な化粧品では難しいことです)になります。そこでロールキットを導入すると、更に上の美肌を得ることができます。しっかり使い続けるとその差がはっきりと出る印象です。
・使用後、保湿剤が吸い付く感じがします。浸透している実感です。これは凄い!という感動です。患者さんもそのように言われる方が多いです。これはおそらくまずマイクロチャネルに毛管現象として入り込むことと思います。そしてマイクロチャネルにとどまっている成分は通常よりより総面積の広い皮膚から吸収されることになります。ただ、この保湿剤の吸い付く感じは、ロールキットを使っている間にトーナーが完全に乾くので、いつものお手入れと同じ量のジェルでは物足りないだけでは。と思ったこともあります。しかしそんなことはありません!やはり使用後にはロールキット無しでは得られない凄いハリ感もでます。直後のこのハリはいつもよりも保湿が十分になされている証拠と思います。強く腫れるほどの刺激はありませんから。
・ロールキットを転がしすぎると、肌の微細な炎症を引き起こす可能性はあります。ですのでほどほどの使用にすべきです。特に注意したいのは、肝斑部位です。禁忌とは思いませんし、肝斑部にエンビロンが十分浸透するのならば肝斑にも有効なのでしょう。しかし、物理的刺激による慢性炎症は肝斑の重大な悪化因子です。肝斑部は優しく、回数も少なめ、そして決して強く押し付けないよう注意しておく必要があります。特に頬部の骨の上などは力がかかりやすいと思いますから注意が必要です。
カテゴリ:スキンケア・エステ・コスメ