院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2025.07.18
7月、エンビロンスキンケア開発者であるDr.デス・フェルナンデスの日本講演があり、拝聴いたしました。
当院の看護師2名も参加。会場はインターコンチネンタル東京ベイ。
そしてその対策としてエンビロンの「セリエンスナイトセラム」美容液が有用であるというお話でした。
さて、皮膚と脳は発生学的には同じ外胚葉由来です。また、メラノサイトは皮膚に存在することは有名ですが、神経管にも移動して存在し、それは皮膚と脳が関係している根拠となりえます。
例えば、精神状態によって、皮膚が紅潮したり、鳥肌が立ったり、またストレスを感じると湿疹や肌荒れを経験します。皮膚と脳は神経伝達物質やホルモンにより、常に対話しているかのような関係があるのです。
・UV ・大気汚染 ・喫煙 ・食生活の乱れ ・ホルモンバランスの崩れ ・睡眠不足 ・心理的ストレスや不安
これらは慢性炎症を惹起して炎症性老化「inflammaging」を加速するのです。老化のメカニズムは私も参加している日本抗加齢医学会で頻出ワードです。ホールマークスの老化の原因の中に、あげられており、老化とは慢性炎症であることが、提唱されているのです。
具体的には、ケラチノサイト、マスト細胞、免疫系の細胞は神経系と伝達しあって、ケラチノサイトはストレスホルモンであるコルチゾールを分泌します。またランゲルハンス細胞もストレスによりコルチゾール、その他炎症性サイトカインを分泌します。
これらによりストレスが以下のような現象を起こします
乾癬、酒さが悪化する
substancePや皮脂分泌亢進によりざ瘡が悪化する
皮膚バリア機能が低下して突然の敏感肌となる(レチノール製品を使用している方は濃度を落とさざるを得なくなる)
水分量が低下する
血流低下によりくすみが強くなる
光老化に弱くなる
炎症後色素沈着が長期化する
年代別に感じる現象
20代 若々しい肌
30代 肌の弾力やトーンが低下し、エイジングの初期兆候
40代 炎症性老化の始まりで真皮マトリックスが分解される
50代 目に見えるエイジングとして、しみが増える、肌の回復力低下を感じる
神経科学から開発される化粧品という意味なのか、「ニューロコスメティクス」という言葉が出てきます。
肌ストレスにより炎症性老化が始まり、そこでニューロコスメティクスを使用することで、肌のレジリエンスを高める
ここで求められることは、ビタミンAによる細胞分化の調整、ビタミンCによるコラーゲン・エラスチン増生、ビタミンEによる細胞の安定化・抗酸化など、適切な細胞分化の促進は当然基本です。細胞環境を整えて細胞間マトリックスを強化するのです。
さらにニューロコスメティクスであるセリエンスナイトセラムの成分が必要であるということです。
セリエンスナイトセラムの4つのKey成分
①ニューロフロリン ストレス応答とコルチゾールの影響を調整する
②アルジルリンアンプリファイド 表情筋の過剰収縮を抑制する
③マトリキシルモルフォシクス コラーゲン、フィブロネクチン、ヒアルロン酸を増加させる
④マラカイトエキス 銅を含み抗酸化物質としてフリーラジカルを除去する
①UVケア ・ビタミンAと抗酸化物質の使用 ・セリエンスナイトセラムの使用 ・アンチポリューション製品の使用
②良い睡眠、良い食事、ストレスマネージメント、リラクゼーション
③スローマッサージでC線維を刺激し、オキシトシン分泌を促進してコルチゾール分泌を減少させる
1日2回使用する。1回3プッシュ。数週間続けます。改善したら頻度を低下して2日1回程度継続し、1本使いきったらいったん休止してみる。
ナイトセラムと言いますが、朝も使うということです。(デス先生としてはナイトという言葉を無くしたいようです)
私自身、最近、以前より艶感がよくないと(恩師の形成外科医に)言われていましたが、自覚していました。また、Aブーストセラムインテンスで若干のレチノイド反応が出るようになっていました。まさしく前述の症状です。この使用方法で10日程試しています。艶感が戻ってきていると感じます。もっとくすみもよくなってほしいところ。
講演会はセリエンスをイメージした特注のスイーツ付き。