院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2024.10.21
2024年7月14日に韓国ソウルでメディトックス社主催のユーザーズセミナーに参加してまいりました。
訪韓は久しぶりでしたので、勉強というより観光の感覚でしたが、たくさん学びがあったので、トピックスを述べておこうと思います。また私なりの知見も交えます。講師はHyoung-Moon Kim先生とWook Oh先生。
ちなみに同社は主に美容治療用のヒアルロン製剤とボツリヌストキシン製剤の製造販売会社です。ヒアルロン酸注射のシェアは韓国でNo.1で40%以上、一方、日本で最も有名で唯一の承認品であるアラガン社のジュビダームはシェア5%以下と聞いております。メディトックス社のイメージガールがソン・イェジン、同社のラッピングバスまで市内を走っているぐらいの会社です。またボツリヌストキシンの開発改良にも力を入れており、用途に合わせた多様な製剤を製造しています。当院ではニューロノックスを中心に使用しています。また、ボツリヌストキシンによる抗体産生を避けたい患者様向けにコアトックスも使用可能です。(少しだけ高価です)詳しくは後日ご案内します。
ボツリヌストキシンは日本でよくボトックス®と呼ばれています。アラガンの登録商標ですが、通称として巷で用いられています。このページではボトックスの一般名であるA型ボツリヌストキシンという言葉で示すことにします。
日本の教科書にはよく外眼角交連から15mm外側とその上下(角度まで書いてあります)の3か所眼輪筋に注射するとされています。私は従来からさらにその外側2~3か所にも注入しています。これが正しいかよくわからなかったのですが、Kim先生は15mmさらに外側に注射していました。この理由は単純で眼窩部眼輪筋が外側に広く位置しているからです。
目頭もしわのある所に注入しています。眼輪筋を抑制するためと思っていました。考え方としては内眼角側の表情しわは皺眉筋や眉毛下制筋の影響によるものが大きいのでそちらの治療をしましょうということです。眉間を注入すると確かに内眼角の皺は軽減すると思います。ただし、いつも思うのはこの場合バニーラインがはっきりと目立ってきます。上唇鼻翼挙筋や鼻筋にも少し注入しておくのがベターかもしれません。
眉を寄せてというと、眉頭は下に引っ張られることが多いです。これは鼻根筋や眉毛下制筋の影響です。時々逆に眉頭が上がって、額に皺ができるハの字眉になる方がおられます。このタイプは前頭筋にも注入しなくてはなりません。しかし二重ラインが狭くなったりしやすいかもしれませんが、このタイプに鼻根筋や眉毛下制筋にのみ注入すると、さらにハの字がひどくなるでしょう。
男性は皮膚が厚くskinthickness、筋肉の大きさmuscle massも大きい、また、収縮力muscle activityも強い。女性の1.5倍量の注入が良いだろう。
額のaugmentationでは、単一のヒアルロン酸製剤で全体を形成すると、時間が経ち、徐々に中央に移動してくるケースがあります。これの予防としてグラデーションフィラーテクニックを使っているとのことです。ニューラミスは架橋形成の程度違いで4種類ありますので、頭側から眉毛側にかけて硬いものから徐々に柔らかいものに製剤を変化させて注入してくるというものです。
上口唇と下口唇の理想の幅って、あまり知らなかったのですが、上:下が1:2だそうです。韓国で人気なのはチェリーリップ。下口唇中央左右に注入します。上口唇中央に1か所注入すると人中短縮効果があり、赤ちゃんのようなかわいい唇ができます。このとき、固めのヒアルロン酸(当院ではニューラミスボリューム)を使用すると良いです。
上下口唇全体にヒアルロン酸注入します。表面積が大きくなる感じです。上:下が2:1にしたい人に行います。輪郭をはっきりさせる効果があります。