院長ブログ
Diary of Gifu Skincare Clinic
2015.03.12
アテロームは上皮性の皮膚腫瘍と言われます。上皮というのは皮膚や粘膜等を指します。体の表面や、口の中・胃腸の中の表面粘膜などです。アテロームというできものは、皮膚の浅い部分にできた袋状の良性腫瘍です。この袋が上皮でできているので、上皮性の皮膚腫瘍といいます。皮膚は擦ると垢が出るように、上皮も表面から代謝物が排出されます。従ってアテロームの袋の中も垢のような、粥状の内容物が詰まっております。
アテロームは時々この臭い内容物が外に排出されることがあります。患者さんは時々臭いやつがでてくる!と言われます。また、アテロームが感染したというのは、この粥状物に細菌感染し組織に波及したものです。
カテゴリ:皮膚良性腫瘍(おでき)
2015.03.01
皮膚のできもの・しこりには、いくつか種類がありますが、粉瘤(アテローム)と呼ばれるできものはとても多いです。これは、皮膚の浅い部分に袋が形成され、その中に粥状物と呼ばれる内容物がたまり、腫れてしこりに感じるものです。
治療法は摘出手術です。感染して膿んでいなければ、小切開から袋を剥離して摘出することになります。この粉瘤を剥離していくと、多くの場合、まん丸でコロンと摘出可能なのですが、中には双子のように雪だるま状の物、またブドウの房状のものもあります。くりぬき法と言ってくり抜き穴をあけて小さな傷から摘出する方法がありまが、この場合は、くり抜いた時に内容物も押し出してしまうので、ぺちゃんこの袋を取り出すことになり、形はわかりません。形が複雑ですと、内容物を保ったまま丁寧に剥離して、袋を残さずに取ることが、完治の要素になります。
写真は比較的大きめのアテロームでまん丸ではなく、房状に発達したものです。全摘されています。
カテゴリ:皮膚良性腫瘍(おでき)
2015.02.25
シミは「レーザーで一発で消せる!」と思っていらっしゃる方がおられます。確かに美容皮膚科診療に初めて来られた方の多くはそう思っていたり、テレビで芸能人がビフォーアフターに登場し、いとも簡単にシミが消えたという印象を与えている場合もございます。勿論、そのように簡単に除去できるシミの種類や治療方法もあります。
今回はシミの種類と治療法でどの程度良くなる見込みがあるのか、まとめてみます。
その前に光治療(フォトフェイシャルなど)とレーザー治療の違いを理解しないといけませんが、目的や施術は似ておりますが、理論は大きく異なると考えます。このあたりは少し難しいので、別の項で述べたいと思います。
フォトフェイシャルで、反応します。繰り返し定期的に施術をすることで、改善の見込みは高いと思います。完全に根絶しようと思うと、Qスイッチ方式と呼ばれる照射のできるレーザーが、一度の治療で根治の可能性があります。ただ、Qスイッチレーザーを照射しても数回治療しないと取れないものもあります。3か月おきに治療します。(つまり年4回治療ができます)また、照射後はテープ保護など、顔に何らかの保護を施しますので、ダウンタイムがある治療になります。一方フォトフェイシャルでは、効果としてはかなり良くなると思われますが、治療を終了すると再発してくるものもあります。ただ、ダウンタイムはほぼ無しですし、全顔照射ですので、全体にあるシミを少しずつ薄くしていくことができます。1回で効果が出ることはほとんどないので、繰り返し照射に通います。1か月に1回の照射です。つまり1年で12回です。12回照射すると、効果も良く感じられる方が多い印象です。また、美肌効果がつよく、お化粧のノリが大変良くなるので、シミの改善がマイルドでも、美肌効果で継続される方は多いです。
ADMはフォトフェイシャルでは対応不能です。それはメラニンの深さに関係します。ADMは真皮内にメラニンがある(深いということです)ので、通常のフォトフェイシャルの発振では光をそこの深さまで到達させることができません。これができるのはQスイッチレーザーのみです。本気でADMを治療される方はレーザ―治療を受けなければなりません。フォトフェイシャルで良くなったという方もみえますが、それはそもそも診断が違うのか、ADMに混在する老人性色素斑を改善しただけということになります。
肝斑はフォトフェイシャルで良くなるという人もいますし、変わらないという人もいます。いずれにしろ強い照射は肝斑の病態である炎症後色素沈着を悪化させる可能性があるので避けています。
Qスイッチレーザーは通常の照射方法では、かなり強い炎症後色素沈着を生じますので通常禁忌です。そこで最近はレーザートーニングという施術に人気があります。レーザーフェイシャルとは違います。レーザートーニングもまだ賛否ありますし、長期成績はよくわかっていません。やはり肝斑の治療は基本に内服と習慣の改善があることは間違いありません。
フォトフェイシャルでも色調の改善は望めます。また、Qスイッチレーザーでもダウンタイムがあっても構わない場合は治療可能です。しかし、いずれにせよ、再発の可能性が高いです。フォトフェイシャルを継続的に行うのが効果的なのかもしれません。
カテゴリ:シミ
2014.12.10
2015年2月14日(土)、15日(日)に内覧会を開催致します。お誘い合わせの上、ご来院ください。
開催時間:午前10時~午後3時
事前の申込は必要ありません。
どなたでも院内をご覧になることができます。
皆様お誘い合わせの上、ご来院をお待ちしております。
カテゴリ:院長ブログ
2014.11.07
アテローム(粉瘤)という、良性皮膚腫瘍があります。
普段はしこりとして触れたり、大きくなると、見た目にできものとして盛り上がって見えます。
また、アテロームの盛り上がりの中央部には小さな穴があって、そこから粥状物と呼ばれる内容物が出てくることがあります。これは皮膚の代謝産物です。
この腫瘍は被膜と呼ばれる袋があり、その中に粥状物がたまっています。治療は手術のみです。被膜ごと、摘出します。しかし、良性でありますから、経過観察でも、かまいません。
その経過中、問題になることは、時々粥状物が出てくることがあり、とっても臭いです。そして、一番の問題は感染するリスクがあるということです。感染とは、ばい菌が付着し、膿んでしまった状態で、赤く腫れて痛いのが問題です。少し悪化すると、排膿といって、粥状物以外にも膿汁が排出されるようになります。
アテロームの感染は腫れて痛いこと以外にも問題はあります。
これを治療するには、一度感染を鎮静させなければなりません。それには切開排膿が必要です。
局所麻酔をして、中央の小さい穴を含めて、腫れているところを開窓します。膿汁と、粥状物を、掻き出し、洗浄します。切開排膿すると、後々皮膚には傷痕を残すことになります。(感染以前に摘出術でも傷痕は残るのですが)
上記切開排膿をしただけですと、被膜が残存していますので、しばらくすると、再発する可能性が高いです。そこで、なるべく被膜も取り去ろうとするのですが、非感染時と違って、組織は感染により溶けかけ、癒着したりしており、被膜の完全摘出は困難です。ただ、なるべく掻把(引っ掻き出す)して、可及的に被膜を除去します。
アテローム摘出術は、大きさがはっきりするぐらいになったら、感染する前に、摘出するのが良いと思いますが、前項のように、傷痕が残ることも考えて、適応せねばなりません・・・。
カテゴリ:皮膚良性腫瘍(おでき)
2014.11.01
カテゴリ:美肌(小じわ・毛穴・にきび)
2014.10.21
レーザー治療や光治療、水光注射、イオン導入などなど、美肌に関する治療法は種種あります。
しかし、ホームケアにおけるスキンケアで、その人のベストな肌状態でいないと、施術効果は十分発揮できないと思いますし、施術の副作用も発生しやすいと思います。
また、ホームケアとは直接的なスキンケアのみでなく、食生活、睡眠、ストレスなども重要な要素です。
スキンケア5つの秘訣
中でもビタミンCはお肌に良い成分として、化粧品に含まれ、イオン導入に使用され、内服薬やサプリメントでも摂取することが、美容皮膚科ではルーチンに行われています。当院でもその方向性は重要と思っていますが、美肌のためのビタミンというと、ビタミンC、EやB群は脇役であり、何よりもビタミンAが主役に位置づけられていると考えています。ビタミンCは強力な抗酸化物質で、肌の保護や修復には不可欠なのですが、皮膚に対する直接的な役割があるのはビタミンAです。
この考え方は、肌老化はほとんどが光老化である、つまり紫外線が肌を老化させる、ということから、成り立つ考え方です。しみ、しわが増えてきたというのを年のせいだけにしてはいけません。年のせいより紫外線の影響の方が主です。(もちろん遺伝的な要因などもあります)
① ビタミンAは、パルミチン酸レチノール、レチノール、レチナール、レチノイン酸と、代謝されますが、パルミチン酸レチノールは食物などから摂取され、皮膚に安定して蓄えられます。特に若年者ではこのパルミチン酸レチノールが多く蓄えられており、加齢とともに減少します。パルミチン酸レチノールの作用は、自ら紫外線を吸収し、無くなることで紫外線から皮膚を守る働きをします。子供の皮膚は紫外線に強いということです。
② パルミチン酸レチノールが代謝されたレチノイン酸は、皮膚のターンオーバーを促進する働きがあります。しみを薄くする塗り薬に、トレチノイン誘導療法というのがあります。これは表在性メラニンに対し、レチノイン酸を塗布することによりターンオーバーを促進し、メラニン排泄を促進し薄くしていくものです。
βカロチンなどのビタミンAを積極的に摂取することはお肌に重要なのですが、化粧品で外から補うというものも、いくつかラインナップがあります。保湿やUVケアは基本的なスキンケアですが、ビタミンAを配合し、上記のような作用を狙う機能的スキンケアが、当院の美肌治療におけるベースラインであり、どんな患者さんにも実践いただけ、かつ効果の高いものであると思っています。
カテゴリ:スキンケア・エステ・コスメ
2014.10.18
カテゴリ:ヒアルロン酸-しわ
2014.10.14
カテゴリ:輪郭