スタッフブログ
Staff Blog
2016.07.07
2016.07.04
カテゴリ:スキンケア シミ シワ スタッフブログ
2016.06.04
2016.06.04
第42回日本熱傷学会に参加してまいりました。
今回のお目当ては、形成外科専門領域講習といって、形成外科専門医の維持・更新に受講すべき講演を聞くことでもありました。大学の教授先生の講演でした。
内容はやけどのみならず、瘢痕(きずあと)全般でしたので、明日からの臨床にもいろいろつながる最新知識を得ました。実際の現場で感じることと合わせて、まとめてみます。
患者さんにはよく、皮膚の断面図を見せて、真皮の真ん中より深い傷は痕が残ると説明しています。組織学的には真皮乳頭層あたり、8/1000inch 0.2mmの深さまでだと、肥厚することは無い、真皮網状層に達すると深くなるにつれて肥厚の具合も強くなる。これを実際にボランティアのヒトで実験した写真を見せていただきました。たとえばニキビの炎症も、どの深さまで強く炎症を起こして組織が破壊されたか、これが乳頭層までなら痕が残らないが、網状層に達していたら肥厚性瘢痕になりえたり、ニキビ跡が残ることになります。また、採皮部位も確かに肥厚性瘢痕になってしまった人がいますが、どの深さで採皮するかが、一番大きな要因と思います。
ちなみに浅達性2度熱傷の水ぶくれが破れたとき、水疱底が赤いとホッとするのですが、真皮乳頭層の豊富な血管網が赤く見えているのです。
ケロイド・肥厚性瘢痕はこの真皮網状層での強い慢性炎症の結果。
①部位 頭頂部、上眼瞼、下腿前面にはまず発生しません。講演では、頭頂部も下腿前面も皮膚が動きにくく、力学的な刺激がないから。また上まぶたは皮膚が柔らかく、傷に緊張がかかりにくいから。たしかに、でも、上眼瞼と鼻根部にかかるような傷だと、偶に肥厚してしまうケースを私は経験します。鼻根部になると、まぶたの動きに対して緊張がかかっているからと考えられます。
②力学的な刺激 真皮網状層は傷が治癒しても3か月かけて抗張力が90%まで回復します。この間に、ストレッチがかかるとケロイドが発生しやすいと言われます。3か月は安静が必要ですが、リハビリも必要なので、どうするかということです。
ケロイドの重症化しやすい方向があります。たとえば腹部のケロイドは縦方向に伸びていきますし、胸のケロイドは横方向に伸びていきます。腹部は腹直筋で縦方向のストレッチがかかりやすい、胸部は大胸筋の運動で横方向のストレッチがかかりやすい、伸ばす方向にケロイドが大きくなるのなら、その方向に対し垂直に切った傷はケロイドになりにくいということです。垂直方向に切れなくても、その方向の成分を少しでも少なくする努力が必要です。このことを腹部正中切開のデザインで示していましたが、私も初めからジグザグもしくはウェーブと思います。横切開は肥厚性瘢痕の炎症が比較的早く治まります。(実際はそうでもない人も経験していますが、2年あればかなり良くなっているかと思います)
①高血圧 メカニズムはまだ研究中とのことですが、固くなった血管にストレッチがかがると、正常より多くの発生因子が出るらしい。ケロイド体質に高血圧を伴っていると要注意。
②サイトカインの多い人、時期。 キャッスルマン病でIL-6が過剰な人の例が出ていましたが、熱傷において、サイトカインストームの時期の手術はケロイドリスクが高くなると。採皮も含めて。
③性ホルモン エストロゲンが多いとリスクが高くなる。なので若い女性はホクロの除去も注意が必要。テストステロンも同様。男性は40代でテストステロンが減っていくので、女性より、リスクのある時期を早く脱する。
手術治療については割愛しますが、私が今回当院でもちゃんと導入したいと思ったのは、シリコンテープのメピタックと、ステロイドテープ(ドレニゾンがweakに対して、strongの)エクラープラスター。小児など皮膚の薄い人はドレニゾンが第一選択かもしれないが、成人はエクラ―が良いようなお話でした。肥厚の薄い初期から使うべきです。
シリコンジェルシート(エフシート、ケアシート)はなるべく大きく張ることで張力の掛かりを抑える役割があります。私は圧迫が目的と思っていました・・・。
赤みの治療でよくdyeレーザーを打つ方もいますが、ロングパルスNd:YAGで深く真皮網状層まで到達させないと効きにくいようです。
カテゴリ:熱傷(やけど) 瘢痕・ケロイド(きずあと)
2016.05.27
先日、第6回ぎふ清流ハーフマラソンの大会救護活動に参加してまいりました。
私の健康スポーツ医活動の一つにしています。詳細はこちらスタッフブログをご覧ください。
さて、マラソンをはじめ、スポーツでの突然の病気、ときどき心肺停止など、最近はサッカーなどでもニュースになっていました。
2003年に日本臨床スポーツ医学会からのデータです。
●10代~30代までは、フィニッシュ直後に発生する。
●40代~70代はレース後半からフィニッシュ直前に発生する。
このような偏りがあるそうです。私の勝手な推測ですが、中年以降ですと、冠動脈硬化や弁膜症などから、心筋虚血が進行したり、急性左心不全となり心室細動に至るものと思います。若年者ですと、自律神経要因による心筋irritabilityの増加などが、フィニッシュ後に心室細動を誘発するのかと思います。いづれも基礎疾患の内科的メディカルチェックで予防しなければなりません。
2005年のデータですが、肥大型心筋症という病気が25%です。心臓振盪といって衝撃などで不整脈を起こすものが20%、そのほか冠動脈奇形やマルファン症候群、WPW症候群など続きます。熱中症は1.6%、脳出血は0.8%だそうです。
血液検査、尿検査、胸部エックス線、心電図が基本です。異常があれば追加検査ですが、特に心臓系統は不整脈はホルター心電図という24時間心電図、左室肥大が認められたら心臓超音波、またST-T変化という心電図異常なら、運動負荷心電図を行うことになります。どの検査も非侵襲的なもので安心してうけられます。また、人間ドックでは必ず施行される健診項目です。市民マラソンは必ずメディカルチェックを行って参加しましょう。
2016.05.26
2016.05.24
5/21に日本美容外科学会JSAPSの分科会であるMSCSメディカルスキンケアスペシャリスト講習会に参加してきました。いつも開会の時に委員長先生が雑学をお話しくださり、大変面白いので、私も備忘録としてここにメモしたいと思います。
Body Mass Indexといって、体重と身長から算出する体格指数です。計算方法は、
BMI=体重㎏÷(身長m×身長m)
BMIが18.5未満は低体重、18.5~25は普通、25以上は肥満ということになります。病気のなりやすさは22の人は低く、BMIが低く痩せていても、BMIが高く太っていても病気のなりやすは高くなっていきます。
イギリスのエクセターにある大学の研究では、社会経済的地位の低さは
男性では、「低身長」と関連
女性では、「高BMI」と関連
背の高い男性は専門性の高い仕事に就く確立や年収がupする。
身長は伸ばす方法がないので、背の低い男性には何とも酷な結果ですが、背が高くなくても社会的地位の高い方やお金持ちはたくさんいますので・・・あくまで科学的な統計学的な結果なだけで、それ以上の意味はありません。
男性の世帯年収が3万3600円低下
女性の世帯年収が30万2400円低下
女性の方が顕著に結果が出るようです。太るから年収が減るのか、年収が低いので太るのかは、いろいろな考え方があると思います。アメリカのホームレス肥満者が多いようです。これは教会などでパンの残りなど多くの炭水化物が与えてもらえるからと考えられています。日本のホームレスは痩せている気がします。日本では本当に食べられないのでしょう。
友達が肥満だと、自分も肥満になる確率が171%まで上がる。
友達が痩せていても、自分は痩せない。
太る方向のみ伝染するようです。太った友達と食事に行けば相応の食事をするということなのでしょう。生活習慣に対する価値観が似ているのかもしれません。
今回の講習とは関係ないですが・・・写真は講習会の帰りに寄ったプロティアジャパン(株)(エンビロンの販売元)の入っているテナントビルです。東京駅日本橋口出となりの最高の立地です・・・。
カテゴリ:院長ブログ
2016.05.22
2016.05.19
私は日本医師会認定健康スポーツ医で、今後、当院でもスポーツ医活動を行っていきたいと思っています。美容は健康の上に成り立つことです。今回は健康の基本である食事についての正しい考え方を述べます。
糖質制限が流行していますが、日本の目指す食教育は、やはりバランスのとれた食事です。「主食・主菜・副菜」のそろった食事を1日2回、乳製品と果物を組み合わせて、また一汁三菜で汁物を組み合わせるというのが最も良いとされています。
写真のような缶コーヒーに、なんと、何気なく啓蒙のキャッチが・・・。
主食:糖質でエネルギー源です。ご飯やパン、麺類などの穀物、イモ類です。主食の量は調節して摂取エネルギーをコントロールできるので、おかずで高カロリーであれば、ご飯を少し減らすなどしましょう。調節しやすいので意識しておくとよいでしょう。
主菜:肉類、魚介類、卵類、大豆製品などです。タンパク質源にします。動物性脂肪を過剰摂取しないように注意するのがポイントです。
副菜:野菜、海藻、きのこ類、山菜類、豆類、イモ類などです。ビタミン・ミネラル・食物繊維の供給源です。
汁物・乳製品・果物:カルシウムとビタミンCの補給が目的です。カルシウムは日本人に足りない栄養素第2位です。別の項で述べようと思いますが、日本人に足りない栄養素第1位はビタミンAです。サプリも必要なんだろうなと思います。
糖質制限を実践している人が結構周りにいませんか?最近のエビデンスを知らないのですが、米はしっかり食べたいと思っているが、糖質制限で調子よい人を見ると、米を食べていいのかなって思ってしまいます。私は太古から米で生きた人類の歴史を信じて、上記のようなバランス食事を実践したいと思うのです。
岐阜市 形成外科・美容外科・美容皮膚科ぎふスキンケアクリニック 美容・健康・食事に関する投稿
2016.05.18
埋没法に関して。挙筋法といって、埋没糸を挙筋やミューラーにかかるようにしている先生が多そうな感じでした。眼瞼下垂をきたすこともあるので注意が注意が必要ですが、うまく工夫すると開瞼が軽度改善する症例もあるようです。糸のかけ方に、front tarsus techniqueとmasucle tarsus techniqueがあるのですが、FT法は自分自身経験が無いので、表から瞼板にうまく掛けるのにコツが要りそうな印象です。
埋没と切開の利点がまとめられていました。埋没は、傷にならない、取り返しがついて、変更もできる、ダウンタイムが無い、うまくかけると下垂の修正もできるとのことで、切開法はたるみの除去ができる、脂肪の除去ができる、下垂の矯正ができる、消失が少ないということです。
座長の先生が埋没を大変上手くこなしている写真がありましたが、現代ニーズには最もあっていると思っています。
高濃度ビタミンCは民間療法ではなくEBMに基づいているもの。やはり、最近は美容目的で12.5∼25g、がん治療で50gが主流のようです。私もがん患者さんに投与して思うことは、疲労感の改善効果、夜間頻尿の減少、うつ状態や意欲低下の改善など、実感があります。投与に関しては硫酸マグネシウムの混注がポイントで血管痛を顕著に改善可能。ビタミンCがすぐにwash outされることに関しては、IVCの場合は細胞内にcharegeされ、1週間程度効果の持続を望めるとのことでした。
ホルモン補充療法は日本での普及が他の先進国に比較して極端に遅れているようです。LOH症候群late onset hypogonadism加齢性男性性腺機能低下症候群いわゆる男性更年期に的を絞って解説、症状は認知力や感情の低下、メタボリックとなり、心血管イベントの増加、筋骨の機能低下、性機能の低下、肌のエイジング減少などなど。AMSスコアを見ると、意外に自分にも当てはまっている・・・。テストステロンやDHEAの補充療法を行います。テストステロンはグローミンクリームによる外用が安全で、内服やペレット(数か月ごとに皮下投与)は輸入です。前立腺がんのリスクAGAのリスクははっきりとは無いとのことでした。
その他、EDに関しては、40代以上の6割も罹患率あるようで・・・。陰茎海綿体の血管機能低下や動脈硬化と言われています。中折れが初発症状で多いのも、泌尿器科医で無い私には初耳でした。最近の性感染症は梅毒が数年で10倍に増加、バラ疹を全身の他に、手掌足底にはっきり出ているのが特徴。
海外でも上記のようなmen’s health外来が増加しているようです。
動脈塞栓は即時に起こるトラブルで、術者がパニックにならないように対処します。皮膚に関しては環流域のまだらな皮膚障害と強い疼痛(急に叫ぶぐらい)その後の微小な皮膚膿胞形成です。ヘルペスやアレルギーと鑑別すべき。また網膜動脈塞栓では突然のブラインドです。注入部とその周辺に生食で溶いたヒアルロニダーゼを30単位/1pointぐらいずつ、大量に(1000単位でも)に注入、ブラインドの場合は一時間以内に球後針で注入するぐらいでないといけない。ヒアルロン酸を詰めた動脈をヒアルロニダーゼの溶液に浸し、その後動脈を開けてみるとちゃんと溶解していたという実験で、やはりダーゼを血管内に注入しようとせずとも、吸収されるため有効であろうということです。クリニックにあるダーゼをすべて使うつもりでということを何度も強調されていました。しかしもし可能ならば、眼窩上動脈などを露出させ直接注入するのが良いのでしょう。
遅発性のトラブルでは、炎症性の結節か腫脹が挙げられます。膿瘍であればドレナージと抗生剤、肉芽腫であればヒアルロニダーゼ、biofilmが考えられるのであれば抗生剤、ステロイドが順に適応となります。過去に同部に他の注入剤、例えばダーマライブ、ポリアクリルアミド、ポリL乳酸、シリコンオイル、ハイドロキシアパタイトなどがすでに注入されている場合は、組織学的検討で自分の注入したヒアルロン酸が原因なのか、同定できるということです。
MEDJETという針無しで、皮内注射ができる機器を試させていただきました。炭酸ガスの圧で、0.03㎜径の皮内注入が可能です。蚊の針が0.06㎜でそれより細いです。ほぼ痛みが無いです。半日ぐらいは赤味がありますが、何といっても注入が正確、痛みがほぼ無し、早い。毛髪再生療法HARGなど、ハンドで注入が難しい時に威力を発揮します。メソや多汗症ボトックスに応用できそうです。
自分でやってみました。
是非導入したい機器です。
当院では多汗症はボトックスによる治療が主ですが、viewHOTというフラクショナルニードルRFによる治療器を見せていただきました。
カテゴリ:アンチエイジング ヒアルロン酸-しわ 多汗症 重瞼術(二重まぶた) 院長ブログ